221、嘘つき少年 S
中世ファンタジー的世界観じゃね
ボクは嘘吐きなんだ。口にする事は全て嘘で出来ている。
ボクが「暑い」と言えば涼しくなるし、「雨が降ってる」と言った次の瞬間には空から日差しが差し込む。「此処にいる」と言った時には何処かへ消えているし、「忘れた」事は本当は覚えてるんだ。
まあ、本当は全部が全部嘘になるってわけでもないんだけどね。
さて、それじゃあボクの物語を聞かせようか。
嘘吐き:口にする事が嘘になるという能力なんだか呪いなんだかよくわからない特性を持つ魔術師。
文字は嘘にならない為、筆談をする事もあるが、基本的に意味のある言葉をあまり口にしない。
口にした事全てが嘘に変化するという訳ではないが、変化条件を周りの人間は把握していないので、概ねそう思われている。
いつも飄々としているが、何も考えていない訳ではなく、寧ろ深く考えた結果が今のスタイルになっている。
一時は賢者とも言われていたが、今ではそう呼ぶ者はいない。また、本名は不明。
・正義感に従って動いた事が大変な事態を引き起こした事があり、それを恥じて自ら自分の賢者の称号を嘘にした。本名を嘘にしたのはドジから。
・変化する条件があるというよりは変化しない条件があるという方が正しい。また、嘘にする事が出来ないものもある。嘘にしても存在を抹消する事は出来ない。無にはなる。
・己の特性をコントロールできない訳ではないが、確実な手段として沈黙を選んだ。
・嘘になると言っても正反対の事象に変化するとは限らない。その辺りは言葉の選び方による。
・嘘への変化は一瞬で起こるが、自然に起こり得る事ならまた元通りになる可能性はある。自然に起こり得ない事なら自然には戻らない。作用するのはその一瞬で、その後は元からそうであった、という事になる。重ねて使う事も可能だが、嘘で元に戻すのは難しい。
・今では正義感に従って突っ走る事はないが、根がお人好しなのは変わっていない。
・嘘にしても文字情報は変化しない。これは文字情報が常に真実とは限らない為。書かれている事を嘘にする事で変化させる事自体は可能。
狼少年:孤児でありいつも嘘ばかりついている少年。
ひねくれ者で皮肉屋。口が達者。すばしっこい悪ガキ。他人を信用しない。
勉強は苦手だが真実を見抜く目は確か。でも普段嘘ばかり言うので本当の事を言ってもあまり信じてもらえない。真実を嘘の中に隠している。
嘘吐きに興味を持ち偶にちょっかいをかけに来る。興味を持った一番の要因は嘘吐きが自分の真実と嘘を完璧に見分けていると感じた事。
基本的に名乗らないため、本名を知る者は少ない。頭も口も回る。
・寂しがり屋で構ってちゃん。作り話で気を引こうとする癖は兄貴分から移ったものであるらしい。その辺りの自覚はあるが、認めようとしない。
・意地っ張りで頑固な所があり、否定されるとムキになりやすい。
・頭に血が上りやすく、行動が感情に直結している。カッとなりやすい。
・何も考えてない訳ではないのだが、行き当たりばったりの行動や嘘が多い。嘘に嘘を重ねる事は少なく、嘘を並列していくタイプ。