214、虚無の渦 S
中二病全開な感じで
正典>外典>偽典だけど偽典≧正典
「君は、そんな事をする人じゃない。元の君に…本当の君に戻ってくれ!」
悲壮な顔で叫んだ男に、彼女が嘲るような笑みを浮かべ、鼻を鳴らす。
「元の私?今の私が元の私ですよ。あなたの都合が良い私が本物だなんて、思い上がりもほどほどにしてください」
「そんなつもりじゃ…」
「あなたの勝手な思い込みを私に押し付けないでください」
経典:簡単に言えば魔術書。
アカシックコードを記したものとされ、天使の記したとされる正典と、それを人間が写本した外典にわけられる。外典は術師としての素質さえあれば誰でも所有できるが、正典はそれ自体に認められなければ所有する事が出来ない。所有者となる資格を持つ者にしか中身を読む事は出来ず、所有者と認められなければその内容を理解する事は出来ない。
悪魔によって書かれた偽典も何冊か存在すると言われている。
経典によって使用可能な術式は違い、どんな術式も使用できる万能の経典は存在しないとされる。
1:お人好し。正典を所有する中級術師。
人懐こくてすぐ人と仲良くなれる。人の善性を信じている。他者に奉仕するタイプ。考えるより先に動く。寧ろ基本的に深く考えないで動いている。ポジティブ。楽観的。他者の笑顔を見る事が好き。
広大な包容力の持ち主。
・粘り強く話しかけ続けることで彼女の心を開かせる事に成功したある意味すごい人。
・彼女の今の人格が作り出した仮面に過ぎない事を知ってそれを肯定している。しかし、それは本人もそうだから、とかではなく、深く理解しているからでもなく、とにかく笑ってればその内楽しくなるよ理論。
・死んだ場合、正典は彼女の手に渡り、世界滅亡ルートが増加する。周りのフォロー次第。
彼女:気弱だが心優しい少女。唯一の友たる1に全幅の信頼を寄せている。
自己肯定感が足りないらしく、自分の全てに自信がない。大抵の事で1を基準にする。1以外の人間にはあまり興味がない。ヤンデレの片鱗が見える。
滅多に怒らない。口数は少ない。
外典の所有者であり、下級術師。
底抜けの包容力の持ち主。
・所持するのは実は外典ではなく偽典「虚無の渦」正典の効果を反転させる力を持つ最悪の経典。術師としての腕前もかなり高く、偽典のポテンシャルを発揮し得る。
・虚無主義者。幼くして偽典と出会い、その内容を理解してしまった為に絶望に至った。
・1を友と思うその気持ちだけは本当で、1を模倣して虚無ではない(比較的)明るい人格を作り出していた。その人格は1の為だけに作り出したもの。依存傾向がある。
・1がいないなら世界が存在しようが滅びようがどうでもいい。寧ろ死ね。
男:真面目で善人。正典を所有する上級術師。教師。
性善説の信望者。その称号と所持経典に相応しい、高い実力を持つが、幸運値が低い。幸福度自体はそこまで低い訳ではないが、よくドジをやらかす。