210、共感能力0/∞ S
「…相変わらず忙しい奴だな」
「だって、泣けてしまうんだもの、仕方ないじゃない」
「少しくらい広い感情を自分で制御したらどうだ?」
「取捨選択なんて、私には出来ないわ。だって、どれも誰かの大切な思いなんだもの」
「その誰かさんはお前に拾ってほしくて思ってる訳じゃないだろうけどな」
「そんな事は勿論わかってるわよ」
0:他者に共感する事が出来ない。
目の前で泣こうが怒ろうが笑おうが喚こうが、ふーん(或いは煩い)で終わってしまう。他者に共感するという事自体が理解できない。
空気が読めない。読めても読まない。他の人間に興味がない。常に自分の為に生きている。他の誰が傷つこうが自分がよければそれでいい。
物語やエッセイの類は面白くないと見向きもしないが、唯一アクション映画(のアクション部分のみ)が好きでよく見る。
本人に感情がないわけではないのだが、己の感情にも疎い。常にローテンション。無気力にも見える。他者に全く期待していない虚無主義者。いつも穏やかで声を荒げる事は殆どない。
頭は悪くないというか寧ろかなりいいのだが、常識と思考回路がバグっているので、周りの人間が共感できないような発言を真顔で言う。
己の生き方、姿勢に迷いはないのだが、全く悩んでいない訳ではないらしい。
他者に理解を求めない。寧ろ理解されなくていい、されてたまるかと思っている節がある。
自分が異常なのだと理解しているが、改善しようという気はないし、改善できるとも思っていない。
物事を深く考えすぎるきらいがある。実は生真面目。お人好し。自分に素直で、思った様に行動する事が多い。利己的で計算高い。好きな言葉は棚から牡丹餅。
共感は出来なくとも、表面的に理解する事くらいはできる。感情表現が薄い。他者の感情を認識できていないわけではないが、他者の感情から何も感じない。
∞:異常なほどに高い共感能力を持ち、視界に入った相手の感情全てに共感してしまう。注視すればその相手に集中して共感する事になる。実際に目の前にいる相手しか基本的に発揮されないが、強い思いがこめられていれば何かを媒介に(絵、文字、音、映像など)していても共感する事が出来る。共感したからといって相手を理解できるかは不明。人間以外の感情(らしきもの)にも共感する。
その能力の影響で一度精神というか自我が押し潰されて崩壊しており、本人の意思というものが乏しい。流されるままに生きている。
頭を働かせさえすれば頭が良いのだが、普段はあまり深く考えずに生きている。
物語に触れると感情移入しすぎて暫く戻って来れない事がよくある。
常に誰かの感情に共感してしまっている為、感情の移り変わりが激しく落ち着きがない上に、発言と行動が一致しない事が多々ある。共感していない時は全くの無表情になる。
己の異常性に自覚はあるが、理解はしていない。他の人間は取捨選択しているだけだと思っている。
割といい加減。お人好し。その時の感情に突き動かされるように行動する事も少なくない。行動的。基本的に衝動的に生きている。常識に乏しい。空気が読めない。常に善意で動いているが、それが逆に性質が悪い。多幸症の気がある。
他人を何によっても区別しない。博愛っていうか薄愛。