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198、人喰いと少女 S




人喰い:人間を丸のみ出来るほどの巨体を持った恐ろしい怪物。

年に一度、赤の満月の日に近くの村から生贄の乙女を寄越させて喰っている。それはより大きな力を得る為の儀式であり、100年かけて100人の乙女を喰らう事で完遂できるらしい。過不足なく、決まった日にだけ食べる儀式なので、それ以外の日は食べない。逆らうものは配下に喰わせる。生贄を届ける限り近くの村は襲わず、襲わせない取引。生贄は彼自身で選ぶ。基準は美味そうかどうか。魔力とか持ってる方が美味いらしい。

実は真面目というか、一度決めたルールは守る方。

酒好き。だけど割とすぐ酔っぱらって眠ってしまう方。酒乱の気はない。下戸ではないのだが、酔うとすぐ寝る。

配下にはかなり慕われているので多分かなりカリスマが高い。

・別にお人好しとかではないのだが、若干抜けてる所がある。人間は好き嫌いとか以前に餌であり搾取対象。優れたものを作る職人とかには普通に一目置いたりする。

・武力的にはかなり強いのだが、ちょっとおバカで不器用

・なんだかんだで少女に絆されるがそれが人で言う恋愛に至るのかは不明。

・怪物界ではイケメンだしカリスマなんだが多分DT引き籠りでもある。



少女:人喰いの所に迷い込んだ子供。孤児。

無垢で無邪気。喰われる事より人に蔑まれて生きる方が辛いと断言する。若干精神汚染入ってる。

迷い込んだ時点ではまだ幼かったが、魔力持ちの"美味そうな"人間だった為、育ってから喰うと人喰いに宣言され、喜ぶ程度に頭がおかしい。かといって、人喰いの生の糧になる事が嬉しいわけでも、自殺・他殺願望があるわけでもない。しかし、生贄の乙女が人喰いに喰われる事に嫉妬したりする。

死への恐れを持っていない。頭は回るが常識的な思考をしない。思いつめるタイプ。

・なんで人喰いに好意的なのかは本人にもよくわかっていない。気が付いたら好きになってた。

・己が生まれた意味が知りたいと思っていて、人喰いの宣言を受けて自分はその為に人喰いに出会ったのだと思う。それ以来、人喰いが美味しく食べられる御馳走になる為努力している。

・人喰いの傍でずっと生きてたいとか思ってない。食べられる時の為に生きている。

・一種のヤンデレかもしれないがその思いは残酷な位にまっすぐで純粋無垢。






「さあ、満願叶ったんだから、今度は私を食べる番だよ」

少女は満面の笑みで両腕を広げる。その目に死への恐れはなく、いつもと同じく他愛ない話をしているような顔で、彼に笑う。

「ウ、ウム…」

「どうしたの?私、美味しそうに育ったでしょう?食べないの?」

「…アア、トテモ美味シソウニナッタ」

けれど、彼だって心があるのだ。数年の間傍においていた少女に対する愛着だってわく。この無垢な少女が愛しいと、そう感じている。それなのに、少女を食べる事等出来ようか。

「…今ハ、腹ガ減ッテオラヌノダ。ソナタヲ喰ラウノハマタ後ニシヨウ」

「嘘だ」

少女はそう言って己の腕を切り裂く。血の香りが彼の人喰いの本能を刺激する。

「我慢しなくていいよ。さあ、私を食べてよ。美味しいって言いながら食べ尽くして」



「…嗚呼、美味イ、美味イ」

ぼろぼろと涙を零しながら、彼は呟いた。少女の笑顔が脳裏に焼き付いて離れない。

「ソナタ程美味イモノヲ我ハ此ノ先喰エヌダロウ」

最大の賛辞は、けれど少女には二度と届かない。





少女が生き残るルート≒人喰いが退治られるルート

両方生き残るルート?ないよ!

だって人喰いしない人喰いは人喰いじゃないじゃん

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