196、ピュグマリオン或いはアガルマトフィリア S
マイルドな無機物萌え話
「私は、君の救いになれるかな」
答えはないと知りながらも彼女は呟く。
「君は私を救ってくれたのに、何も返せないんじゃ悔しいから」
俯いた彼女を彼が抱きしめる。彼女は彼を抱きしめ返して目を閉じる。彼女の頬を涙が伝った。
彼女:精神的な意味で盲目的で純粋な少女。人嫌いというか人間不信。
彼に対する感情が親愛なのか恋情にまで至っているのかを本人もわかっていないが、他の人間を敵に回しても構わないと断じる程度には思いつめている。
頭は回る方だが、科学的というよりは哲学的な思想の持ち主。割とロマンチスト。
誰かを傷つけるよりも自分が傷つき、耐える事を選ぶタイプ。己を傷つける相手でも嫌う事が出来ない、優し過ぎる性格が災いして心を病むに至った。現在はだいぶ改善されているものの時々突然精神的に不安定になって感情的になる。
若干中二病入ってる。耽美的な所もある。己の存在意義に執着している所がある。常識と良識に欠ける所がある。根本的にネガティブで鬱傾向にある。偏執傾向がある。嘘、理屈に合わないものを嫌う。
自分の心というか感情をもてあましているような所がある。寂しがり屋。責任感が強い。自分に自信がないというか、自己肯定感に欠ける所がある。真面目を通り越して生真面目。
自分を尊重してほしいというよりは自分を軽んじないでほしい。人とぶつかると自分が折れてしまう方。
・彼への気持ちが独り善がりなものだという事をきちんと理解したうえでそれでも彼を好きと主張している。報われたい気持ちはある様なない様な。
・彼の"感情"が己の思い込みに過ぎない可能性を承知したうえで一喜一憂している。
・下手するとヤンデレ化するタイプ。何となくその自覚はあるらしく、自分で自分の感情をセーブしている節がある。それだけ自制が利くタイプでもあるが、それだけにタガが外れるとヤバい。
・彼>他の人間>自分としているような所があり、若干自虐的。でもMではないらしい。
・人が嫌いだから彼を好きになったのか、彼が救いになったから好きになったのか、純粋に彼の何かが好みだったのか、本人も突き詰める事をしていない。取り敢えず大好き。
彼:人ではない形をしたゴーレム。人間とは似ても似つかない姿をしている。
生み出す時に与えられたプログラムに従って稼働しており、人と同じ思考形態を持っているかは不明。人語を話さない。少なくとも、ある程度人語に反応するように作られている。
制作者に与えられた役目は人を守る事。現在ではほぼ彼女専用のボディガード状態になっているが、その為に作られたわけではない。
かなり綿密にプログラムが組まれているらしく、プログラムの穴が原因で停止する事は殆どない。CPUはかなり速い。機敏な動きが出来ない訳ではないが、ゆったりした速度で動く。行動に迷いがある事は殆どない。何事にも淡々としている。
若干、他の人間に比べて彼女に対して甘い所がある。
・彼女に対して何となくやさしいのはバグの様なもの。原因不明。
・極めて優秀なゴーレムではあっても、絶対に人足りえない。