188、座敷童子な子 S
店のイメージは吉原とか言ってみる
「オーナー、お客様また来たいって。ボク頑張ったよ、偉い?」
「ああ。その調子で次も頼むよ」
「うん!」
「さあ、もうすぐお勉強の時間だ。準備は出来ているかい?」
「あ、今から準備する!」
「急ぎ過ぎて怪我をしないようにね」
童子:傍にいる相手の幸運値を変動させる能力を持つ。それが何に由来するのか、どのような仕組みかは不明で、本人の自覚も薄い。基本として交流した相手の幸運値を上昇させるが、上昇率は交流の深さに比例する。+方向でも-方向でも交流であれば上昇は起こる。そして、大体接触から一ヶ月後にその上昇量に応じた揺り戻しがやってくる。あくまで不運であるので、元々の幸運値と周りの幸運値、備え次第で乗り切れるが、最悪では死に至るケースもある。交流を繰り返すごとに揺り戻しまでの期間と規模はリセットされる為、段々フェードアウトしていくのがベストな別れ方。
・幼い頃にその能力によって何人もの人間を死に至らせている。その中で能力を見抜いたのが現在の養父。箱庭に幽閉し、月に一度か二度話をする事でそこそこの幸運値を保っている。また、座敷童子と会うと幸運が訪れるという情報だけ流して接客業的な事をさせている。敵対者を陥れる為にも使っている。
・養父に引き取られるより以前に、家族と言える相手とは全て死別しており、生きているのは顔を合わせた事のない親戚だけ。一時期施設にいた事もあるが、そこも最終的に酷い事になった。
・純粋素直。知能自体は高いようだが、常識と感性がずれている。基本的に無邪気で好奇心旺盛だが、大人に対して従順に振る舞う事が多い。
・虐待を受けている子供のような反応を見せる事があるが、体に目立つ傷があったりはしない。但し、片足の腱を切ったと思われる古傷がある。
・知識が学問と芸術に極端に偏っており、現実的な事に疎い。料理や裁縫、掃除などといった箱庭の中にいても目にする事の出来る可能性のある事ならともかく、電車に乗ったり店で買い物したり自転車に乗ったりとかはできない。その代わり覚えは速いので、一度説明を受け、実際に見れば大抵の事は習得できる。
・交流である為、電話のやり取りは入るが、一方的に見るだけなら入らない。リアルタイムで互いを認識する必要があるらしく、手紙、メール、録音はアウト。ただし、童子の方から一方的に見る場合でも極僅かに幸運値の変動は起こっているらしい。
・オーナーは雇われ店長。店にはカモフラ代わりに他の従業員もいるが、童子とは接触しないようになっている。偶に好奇心で接触して最終的に酷い目に会う。それを知っているオーナーは解雇されたら最終的に死ぬんじゃないかと感じている。
・教育は基本的に電子教材とチャットで行われる。チャットは幸運値の変動が一番低いまともに意思疎通のできる交流方法。実は教師役は監視カメラ的なもので童子が勉強している様子を見ながらチャットしている。童子が見られている事に気付くと、そっち側も加算されるので仕組みが謎。