182、ブレンドハーブティー S
「…あのさあ、もうちょっと味とか匂いとかどうにかならないの?」
「別に、味重視に切り替えるならそれでもいいけど、効果は落ちるよ?」
「うっ…」
「まあ、いつも通りステビアか蜂蜜を加えろ、としか私には言えないな」
「ただまあ…漢方の方はきちんとお前に合っているものなら飲みやすい筈だからな。どうしても飲めないというのなら調合を変えるが」
「…いや、どうしても飲めないって訳ではない」
「そうか」
カフェポット:漢方医。趣味的にハーブティーの調合も行っている。
漢方医としての資格は持っているらしいが、西洋医学はちゃんと修めていないらしい。外科は専門外だが、応急手当レベルなら割と出来る。ちゃんと資格を取って裏庭でよく使うハーブの類を育てている。
言動はぶっきらぼうだが、患者思いのいい医者であり、どんな相手でも親身になって相談に乗ってくれる。但し、妙な所で常識が通じない事がある。
精神科は専門の内であるらしく、カウンセラーの様な事もしている。
店では漢方は本人の手で昔ながらの方法で調合しているが、これは本人の趣味の様なもの。格好は作務衣に白衣の事が多いが、これは本人の趣味と利便性がかみ合った結果。白衣からは四次元ポケットの如く色々なものが出てくる。
・煙草は吸わないが愛煙家であり、自分で調合したギリギリ合法のハーブによる精神安定剤を常用している。煙管好き。一応仕事中は吸わない様にしている。
中毒性というより、薬効が切れると精神の安定性が欠かれる為、吸わない時でも煙管が手放せない。パイプではないのは量をセーブする為と、服装に合わせた結果らしい。火付けの為の煙草盆は普通に店の自席の側に置いてある。
・全くの無音である事にトラウマでもあるらしく、店内には音の出る絡繰が多数設置されているほか、常にレコードからよくわからない音楽が流れている。
・骨董趣味があり、懐古主義者。根付けをコレクションしている。
・酷い寒がりで、冬は冷え性対策のグッズが手放せない。基本的に体温は低い様だ。よく指先だけ冷たくなっている。冬は大体ゆたんぽを抱えている。
・西洋の骨董品も嫌いじゃないが、和物やアジア系の方が好き。また、西洋人形、特にビスクドールは苦手というか、泣くほど怖がる。
・裏庭で育てているハーブは七割方自分の精神安定剤用。資格がいる物はあっても法に触れる物はない。但し、法が変わって取り締まりが厳しくなったらひっかりそうなのというか、他国だと捕まるものが含まれている。
・記憶力と観察力があるので、雑談している間に調合の処方は六割ぐらい決めている。残りはちゃんと診察しながら決める。
・本人の情動がかなり薄いため、他者に共感しなければ感情を感じられない。その事に対して一応思う所もあるらしいが、だからと言って別にねー、くらい。常識外れの反応をする原因の一つではある。