180、せかいのおわり S
それは別離を約束された出会い
「…じゃあ、あの時オレを歓迎するって言ったのは」
「勿論、心から歓迎していたに決まっているじゃない。私にあなたが必要だといったのも本当の事よ?」
「これが…こんな結末が、お前の望みだったって言うのかよ」
「ええ。――さあ、終わらせて頂戴?あなたの手で」
青年:終焉の未来から黄昏の世界へ召喚された。聖剣の担い手であり、黄昏を終わらせるために喚ばれた存在。
故郷の終焉を止められなかった事を強く悔いており、今度こそ世界を救いたいと願っている。
熱血正義漢とは言わないが、情に厚く涙もろい。頭が悪いわけではない筈だが、考えるより先に動くタイプ。
・故郷が滅びた原因ではないが遠因の一人。生来の特殊な資質は人工子宮の中にいた時に人為的に植え付けられたもので、それが黄昏において聖剣を使う為に必要な資質と同質であった事が召喚された原因となった。
・未来においては成人年齢に達しているものの、まともに"社会生活"を送った経験に乏しく、人付き合いや常識に関する経験値が低い。常識は殆ど持っていない。
・根本的にお人好しで、悪人だって見捨てる事が出来ない。自己犠牲で済むのならそっちの方がいいと思っている節があるが、他者が自己犠牲をしようとすると必死で止める。
・人間の善性を手放しで信じている節があり、どんな悪人にも悪事を行わざるを得ない理由があり、一欠片だけでも善い心を持っているのだと思っている。
・どんな嘘でも簡単に信じてしまう割に、嘘だと訂正されても中々信じない。
聖女:黄昏の世界における聖剣の守り手。鞘の乙女と呼ばれる事もある。青年を召喚した張本人。
どんな傷を受けても死には至らず、時間がかかっても全て治ってしまう。
聖女と呼ばれるに相応しく慈悲深い心を持っており、常に笑顔を絶やさない。
有言実行より無言実行の事が多く、一人で何処までも突き進んでいくタイプでもある。
・黄昏において世界の滅亡を防ぐ為に全てを背負い聖剣に浄化される役目を与えられた。その為、聖剣以外によって死ぬ事のない疑似的な不老不死になっている。
・幼い頃に聖女に選ばれて以来様々な人間を救い、看取って来た。その為か、救いと死の境界が曖昧になっており、死に対する忌避感が薄い。
・聖剣を用いて彼女を殺そうとした者は何人もいたが、そのいずれも失敗しており、現時点で黄昏の世界に残っている生者は彼女一人。聖剣で己を殺し役目を果たさせてくれる相手を求めて召喚を行った。自分の死≒人類滅亡という自覚は皆無。
・黄昏の世界においての人類が滅びた後に生まれたのが青年の世界の人間で、文字通り終焉の未来は黄昏の世界の遠い未来にあたる。身体構造的にはさほど変わらないのは、二人の子供が後の時代の人間の祖になったからにすぎない。
・精神的に人として破綻している所もあるが、その自覚に乏しい。かといって自分が普通の正常な人間だと思っているわけでもない。取り繕うのが異様に上手い。