169、君のミカタ S
彼女にとって、彼はヒーローである。それは彼女が幼い頃、彼に助けられた事に由来する。それ以来彼は彼女にとって、頼りになるヒーローなのだ。
彼にとって彼女は、妹のような幼馴染である。彼を兄のように慕って後を追いかけてくる年下の少女を、彼は憎からず思っている。だがしかし、それと同時に、彼女が彼を異性として見ていないこともわかっている。
それでもいい、と彼は思う。彼女は幼い頃のトラウマから男性恐怖症になっているのだ。今彼と普通に接する事が出来ているのは、彼女が彼を信頼しているからだ。もし、その信頼を裏切る事があれば…。
それを思うと、このままの方がいいのではないか、と思うのだ。
青年:大学生。
基本的に穏やかな性格をしているが、逆鱗に触れられるような事があれば、敵と認めた相手に容赦しない狂戦士のような人になる。また、倫理観的な意味でネジが緩いので、「悪い事だから」という理由で何かを躊躇う事はない。
基本的にマイペース。ロマンチストというかオトメンじみた所がある。普段は思い切りがいいと言うか、自分でブレーキをかける事は殆どないくせに恋愛事になると中々踏み出せなくなる。へたれ。
・幼馴染の少女にはお兄ちゃんと呼ばれていて、それを悪くないと思っている。基本的に妹のように思っているが、時々異性として見ている自分に気付き、モヤモヤする。妹萌え。
・頭はいいのだが、サボりが多かった為、高校時代の成績はあまりよろしくなかった。無事卒業できたのが奇跡レベル。しかし受験は割と簡単にパスしていたりする。
少女:高校生。青年の3つ下の幼馴染。青年を兄のように慕っている。
大人しい性格で、他人に遠慮している事も多いが、嫌な事は嫌と言えるし、青年に対する親愛の情は割とオープンになっている。
善悪という価値観を理解できていないが、ある程度良識は持っているので、常識的に考えてよろしくない行動はある程度自粛できる。
基本的に真面目。リアリストであり、花より団子を地で行くタイプ。恋愛に対する興味はないらしい。
・恋愛に対する興味はないが、完全に鈍感というわけではないらしく、青年の思いには薄々感づいている。が、それに対しては思考停止気味。ゆっくり来てくれたら多分受け入れられる。
・幼い頃に変質者に襲われた事がトラウマになっており、男性恐怖症だが、それに加えて人間不信気味な所もあり、家族と青年以外の人間にはあまり関わろうとしない。
・頭はいいが、他人の感情に疎い為、集団で孤立しがちなところがある。
・トラウマ事件の時に変質者から自分を助けてくれた青年を英雄視している節があり、ある種の盲信とも言える行動を取る時もある。基本的に他の人間は眼中にない。
兄貴:青年がある意味心酔している相手。
不良の親玉の様な立ち位置にいるが、本人曰く「降りかかる火の粉を払っていたら気付いたらこうなっていた」という事であるらしい。
基本的に、つっこみ・ストッパーポジション。狂犬の手綱を取るのが特技と言えるが、逆に言えば狂犬に懐かれやすいと言う事でもある。
青年の事は部下の中でも特に危うい人間だと思っている。