150、その力はただ己の為に。 W
ありがちな魔女の設定。
魔女は魔法を自分の為にしか使えない。それが魔女に課せられた規則。魔法という超常の力を使う上での制限。
だから魔女は人助けをしない。名誉心を持たない魔女は、他人の為に魔法を使えないから。
どんなにお人好しの魔女でも…否、お人好しであるからこそ、魔女は"己の為に人助けをする"という事ができない。
だから魔女は、人を助ける事ができない。ひっそりと、己の為に、ちょっとした奇跡を起こす。
・魔女:魔法と呼ばれる超常の力を使う事が出来るもの達。その能力は血縁関係に関わらずに発現する。魔女とは呼ぶが、男に発現する事も稀にある。また、魔法を使う者を魔女と呼ぶのは人間族のみの習慣。お人好しが多い。
・魔法:世界の法則を望みによって捻じ曲げる力。己の利の為にしか行使する事が出来ず、他者の利や同情、望んでいない事の為に使う事はできない。また、何でもできるというわけではなく、死者を生き返らせること、他者の心を操る事、使用者の想像力を越えた事は出来ない。人間以外の種族では、使える方が普通、という場合もある。
・魔術:世界の法則を想像した通りに捻じ曲げる力。魔力と呼ばれる力を消費して行使する。自然法則を完全に捻じ曲げる事は出来ない為、死者を元の通りに生き返らせる事は出来ない。他者の心を惑わす術はある。使用者の想像力が優れている程強く速く発動する。ある程度学問として体系立てて研究されており、起動句や呪文などと言った魔術行使の助けとなる手順も開発されている。その成り立ちから、軍事利用される事が多い。使用者は魔術師と呼ばれる。
・己の利の為にしか使えない、というと、魔女は利己心の塊なのか、と思われそうだが、寧ろ、その逆で、利己心がない為に、他者を助けを求められた時に同情以外の、それを助けることで利を得よう、よく思われよう、などという見返りを求める気持ちが生まれない為に、人助けに己の利を見出さないために、人助けの為に使う事ができない、という事になる。利の為というか、寧ろ、望みや願望の為、という方が正しいかもしれない。本気で思えば些細な、下らない事でも使える。
・使えない、というのは発動しない、という事であり、行使しようとして、それが己の望みでないとわかる事もある。行使しようとしなくても、使えないという事がわかる時もある。
・魔法の使用法には個人差があり、各々にやりやすいやり方という奴があるが、共通しているのは想像(集中)、放出、発動という形を取る事である。また、大規模になる程発動までに長く時間がかかる。想像力が足りなくて発動しない事もある。
・魔術師になる為には、魔術を学ぶ事が必要で、その理論を理解し、発動した状態をどれだけ具体的に思い浮かべる事が出来るか、というのが重要になる。魔力自体は生きている生物なら誰もが持つものであり、その量に個人差はあるが、簡単な魔術なら、どんな人でも何れは使えるようになる。但し、魔力を使いすぎると寿命を縮める事になる。
・魔法と魔術は似て非なるものであり、相容れないもの。魔法が使える人は魔術を使う事ができない。過去使えていても、使えなくなる。どうやら、魔力が特殊なエネルギーに変換されてしまっている事が原因であるらしい。