145、ボクと百科事典 S
144と同じ主人公。
「…君、本読むの速いよね。速読とか使ってるの?」
「速読?いや、ボクは単純にそのまま読んでいるだけだよ。ああだこうだ考えず、ただ言葉とか絵とかをそのまま受け入れているだけさ。推理も思考も全て放棄して、ただの入力装置のように全てを飲み込んでいるだけさ」
「…それ、楽しいの?ていうか、意味あるの?」
「楽しいよ。思考を完全に放棄する事は出来ないから、驚く所じゃ驚くし、感涙する事がない訳じゃないし。知るのは楽しい事だしね」
「…さすが百科事典」
「ボクは無機物になった覚えはないんだけど。…まあ、なりたくないと思ってる訳じゃないけど」
「なりたいの?」
「睡眠とか食事とか排泄とか、煩わしいじゃない」
「…。そういう事本気でいうのって君位だと思う」
「そうかな?…で、何、百科事典、って」
「君、何でもひょいひょい答えて、うんちくとか語ってくれる事もあるだろう?後、読んだ本全部覚えてるって噂もあるし。だから百科事典」
「流石のボクも、全部は覚えてないよ。記憶力悪いし、精々、大まかに覚えてる程度さ」
「読んだ本全部?」
「全部」
「それ、十分記憶力があるって言えるんじゃない」
「そうか?一字一句、とはいかないんだが」
「・・・」
百科事典:図書委員。
ゴーイングマイウェイ。とにかくマイペース。好奇心旺盛。知欲の塊で、生存欲求は薄め。
暇さえあれば本ばかり読んでいて、在学中に図書室の本を全て読破しようと目論んでいる。博識というか、雑学家。本の形をしていれば、漫画もエロ本も絵本もライトノベルも小説も専門書も辞書も図鑑も説明書も何でもいいらしい。但し、エロ本に関しては小学生の時に間違って読んでトラウマになったとかで、あまり積極的に手を出したりとかはしない。読み始めた本は最後まで読む事を信条としているらしい。
読書家というと文系と思われがちだが、若干感情が希薄で、人の感情を読みとる事を苦手としているので、現国はあまり得意ではない。とはいえ、理論的に解こうとすれば一応解ける。文法とか漢字とかなら十分得意。どちらかと言えば理系。
根本的にお人好しで、質問されて答えを知っていれば、大抵素直に教える。とはいえ、嫌いな相手にいじわるする事はある。でも、基本的に他人に興味がない為、誰かを嫌いになる事は滅多にない。中々人の顔と名前が一致しないが、声で聞きわけている。
頭はいい方だが、若干虚弱体質であり、運動は苦手。想像力がないとかで芸術科目も苦手らしい。一番得意なのは数学(自己申告)。
恋愛には興味がなく、今の所性欲も理解できないらしい。
冷静沈着というか、感情の起伏が少ないだけ。大体テンションが低い。唯一、猫(動物)、特に三毛猫を前にしたり、話題にする時だけはテンションが上がる。猫好き。猫が恐れをなす程の猫好き。家で飼ってる犬の事でもテンションが上がるが、猫ほどではない。家で飼ってるのはミニチュアダックスフントで、妹の愛犬。逆に、蛇が死ぬほど苦手で、蛇という感じだけで何か怖いらしい。トカゲとかドラゴンとかは平気。ファンタジーよりSF派。
時系列の認識が苦手で、過去にあった事、とは覚えていても、それが何時の事か、は覚えていない。なので、過去の事は全て等価値に過去として扱う。
何事にも順位をつけるのが苦手で、並列に扱う事が多い。0か1かはわかっても、1か2かはわからないタイプ。