138、ばかばかしいぐらいにまっすぐな愛の歌 S
オレはまだ上手には歌えないけれど、それでも歌いたいと思ったんだ。
参拾壱号:歌を奏でる事を役目として作られた自動人形、"歌姫シリーズ"の31号。
"歌姫シリーズ"としては珍しく、男性モチーフで作られており、声質もテノールとバス。
ゼンマイで動き、定期的にゼンマイを巻かないと止まってしまう。ゼンマイを巻いてくれた相手を主人として認識するようにできている。
また、ゼンマイが巻かれないで停止してしまって三日以上経つと、それまでに蓄積した記憶が消えてしまう。知識は二週間まで保持できる。
人形である為、殆ど表情は変わらないが、全くの無表情という訳でもなく、微笑み、悲しそうな顔、むっとした顔、楽しそうな顔、位はできる。
見た目は気のよさそうな青年。人形らしく、素直で好奇心旺盛。感情を素直に表すが、仕様上わかりにくい。
ヒロイン:視力と足を失った為、舞台に上がる事が出来なくなった歌姫。
視力を失った原因である怪我の為、目元に大きな傷跡がある。
歌う事が好きで、歌う事が出来れば幸せだったはずなのに、いつの間にかスポットライトを浴びる為に歌っていた。
舞台に上がれなくなった事で失意のどん底にあった時に参拾壱号と出会う。
本来は素直な子なのだが、まあ、色々あって、悲観的というか、捻くれているというか、厭世的。
弐拾漆号:"歌姫シリーズ"の27号。
年若い少女の姿をしており、声質も澄んだソプラノ。参拾壱号の姉機にあたる。
笑顔、微笑み、悲しそうな顔、無表情の4つの表情パターンしかもっていない。
見た目の割にスレており、毒舌家。客の前では猫を被るが、身内や心を許した相手の前ではアバズレ染みた言動をする。
壱拾陸号:"歌姫シリーズ"の16号。
幼い少年の姿をしており、声質はボーイソプラノ。
表情は乏しいが、全身で表すので、それを感じさせない。
あまり外に出された事がない為か心根は素直なのだが、少しマセている。大人ぶった言動を言動をよくしたがる。
参拾捌号:"歌姫シリーズ"の38号。
20歳になるかならないかくらいの少女の姿をしている。声質はソプラノとアルト。
表情は兄姉機より多く備えられているが、まだ作られてから日が浅いためか、感情表現が乏しい。
基本的に素直だが、ぽやーっとしている。のんびりする事が好きでマイペース。
肆号:"歌姫シリーズ"の4号。
妙齢の女性の姿をしている。声質はアルト。
初期に造られた機体だからか、表情はあまり動かないし、あまり感情表現をしない。
マイペースであり、独特のテンポで動いている。あまり人の話を聞いていない。