123、勇者と魔王と魔法使い S
「…私はあんたを倒す為に旅に出されたはずだったんだけど」
「だろうな。我を倒すのがそなたの役目だ」
「じゃあ、何で私はあんたとのんきに茶をしばいてるのよ」
「さて、何故だろうな」
「うっわ、ムカつく。アンタのその無駄に整った余裕顔が何かムカつく」
「はっはっは」
「ダメですよ、勇者様。そんなイライラしてると、可愛い顔に小皺が増えちゃいますよ」
「こ、小皺なんてないわよ?!」
「うむ、そなたはまだぴっちぴちの小娘で生娘だからな」
「アンタちょっと黙りなさいよこのセクハラ魔王!!」
勇者:ちょっと姐御肌な女子高生。頼られると放りだせないお人好しで、少々お節介焼きな所もある。度胸があって男前で、同級生や後輩はおろか、一部の先輩にまでお姉様と慕われている。実家が剣術道場をしており、幼い頃から武芸を嗜んでいる。運動神経はいいし、頭も回る方だが、意外と文武両道ではない。素直で真面目。純粋っていうか初心。恋愛事とか下ネタとかは苦手。鈍感。
・異世界に召喚されて勇者をする事になる。喚び出された直後は頭に血が上って召喚時に発現した力を暴走させたりしたが、落ち着いてからはちゃんと使いこなし、暴走させたりはしていない。持ち前のお人好しで勇者業を引きうけてしまったが、命を奪うことへ苦悩したり、魔獣を恐れる人の為に頑張ろうと思える普通の女の子。なんか、普通に気のいい青年っぽい魔王に毒気を抜かれ、王様の頼みに疑問を持ち始める。
魔王:魔族の王であるが故に魔王と呼ばれる存在。高い魔力を持ち、羊の様な巻き角が生えている以外は見た目は人と変わらないが、取り敢えず、"少し前"に500歳を過ぎているらしい。高い魔力を持つ程寿命が長くなるので、まだまだ寿命は遠いらしい。基本的に爽やかでお人好しな好青年なのだが、時々本気でボケたり、何の脈絡もなく下ネタを言ったりセクハラをやらかしたりする。本人は至って真面目。大らか。特技は目測だけで対象の正確なサイズが細部まで分かる事。物作りに便利なスキルだが、最近はもっぱら勇者に対するセクハラに使われている。それでいいのか魔王。
・暇潰しと無用な争いの防止の為に時々人間に戦争をしかけるが、基本的に特に人間に対して敵意を持っている訳ではない。他種族という事もあり、大体同じに見えていたりする。また、魔獣は弱肉強食で強いものに服従するものなので、従える事もできなくはないが、基本的に放置して好きにさせている。けしかけたりはしない。
魔法使い:気まぐれに現れては物事を引っ掻きまわす、トリックスター的な存在。一度会えばその存在を忘れられない程のインパクトはあるが、何故か姿を覚えている事ができない。種族も性別も本名も素性の全てが不明。魔王とはそこそこ長い付き合いがあり、味方としても敵としても対峙した事がある。自らの思惑を隠したまま、勇者と魔王を"予定"外の所とタイミングで引き合わせる。