120、最強の文官の気苦労日記。 S
名前は適当。
「オレ、文官なんですけど」
「だが、貴殿はあの老ヘンドリック将軍の孫なのだろう?なれば、確かな武を持っていない筈がない」
「否、俺そういう物騒なの苦手なんで…」
「遠慮はいらんぞ。全力でぶつかりたい」
「だからオレは戦うのとか苦手なんですってば!!」
「ぬおっ」
「…あ、またやっちゃった…」
「…ふ…くく、矢張り素晴らしい身のこなし。一度正式に手合わせを――」
「だから、そういうのは勘弁なんですってばー!!」
主人公:兄二人、弟一人、軍人の家系に生まれた女の子。母を早くに亡くし、周りが男ばかりだった所為か随分男らしい性格と言葉遣いになってしまった。但し、生来の平和主義者で、人と争う事を嫌う。顔は整っている方だが、凛々しいのか美青年と称される事が多い。本人に思う所がない訳ではないが、女らしくする気はないので、まあ仕方ないか、と思っている。ちなみに貧乳。父も兄弟も軍人となっている。
・兄弟と一緒に祖父に戦い方を仕込まれているため、並の兵など及びもつかない程度に強く、その気になれば兄にも勝ち得る程。でも本人にその気がない。
・王と知り合い、彼を支えたい、と文官になる。完全に友人(或いは主)として見ている事と、男扱いばかりされる事で、王を異性として見ていない。超鈍感。
・会うたびに手合わせを求められるので騎士が苦手。
王:王国の王。腹違いの兄弟がいた。正室の子であり、幼い頃から帝王学を学んでいる。一時は第一王子派、第二王子派と王宮が真っ二つに分かれていたが、第一王子派を破り、王となる。真面目で目端がきく。観察力が高い。
・元々兄弟仲はけして悪くはなかったが、事態の収拾を付けるためにはそれ以外なくなってしまい、兄を処刑、弟は遠隔地の執政官に封じた。色々思う所がある。
・主人公とは幼い頃から偶に会った事があった程度の仲で、平たく言えば幼馴染の様なもの。最初は男だと思っていた事もあり、女の子扱いしようとしてもしきれない。また、好きだとも言えない。へたれ。恋愛に関しては臆病っぽい。
・騎士とは親友同士だと思っているが、偶に気に喰わない時もある。
騎士:王に仕える騎士。王とは母が乳母をしていた事もあり、幼馴染或いは乳兄弟となる。頭はいいのだが、武馬鹿。糞真面目な堅物。根っこの所はお人好し。
・主人公が女だと全く気づいておらず、尊敬する将軍の孫の中で最も年の近い主人公に武人として興味を持っている。粘り強いというか、しつこい。或いは諦めが悪い。
・女性に対しては優しくするように父母から厳しく躾けられているが、主人公の事は男だと思っているので以下略。女の子だとは欠片も思っていない模様。
・王を仕えるべき主であり、親友であり、守るべき弟分だと思っている。基本的に鈍いが、王がなんか恋してるっぽい事には気づいている。相手が誰かはわかってない。