109、眠り姫の呪い S
名称は適当。
「"眠り姫"という話を知っているかい?」
「簡単に言えば、ボクの使う術式はアレを元にしているんだ」
「相手に"祝福"を与える代わりに、相手の死ぬ時とその状況を決める"呪い"も与える。呪いを軽減させる祝福を与えるというのも、なくは無いけどね」
「あまりやらないよ。ボクは殺す為にこの術式を使うんだから」
「自分でも、何でこんな回りくどい術式になったのか、よくわかんないんだよね。ボク、面倒なの嫌いなのに」
「本当、面倒くさい。何でこうなっちゃったのかなぁ」
呪詛吐き:"眠り姫の呪い"と呼ばれる特殊な術式を使う魔術師。面倒くさがりで、口が悪く、偽悪的な行動が多いが、根っこの所でお人好し。トラブル誘引体質でもあるのか、度々トラブルに巻き込まれる。また、すぐにフラグを立て、すぐに折るというある意味とても器用な事も繰り返している。一級フラグ建築士かつフラグクラッシャーとか言われる。本人に自覚とか故意とかは無い。基本天然。呪いの発動キーに自分の行動を組み込まねばならないためか、術式をあまり使いたがらない。一応、"眠り姫の呪い"以外の術式も使えるらしい。
・術式:魔術を一定のルールに従って組み立てたもの。数学に例えるのなら、個々の数字が魔術で、公式が術式になる。或いは、音楽に例えて、魔術を一つの音、術式を一つの楽曲とする事もある。術式を組み合わせて作る魔術律というものもある。単純な魔術の方が発動が速いが、解析されやすい。元々術式は高等魔術を簡単に速く発動させる事を目的に考案されたもの。魔術には向き不向きが大きくあり、それが魔術師の個性にもつながっている。魔術の向き不向きと性格や気質などは密接なつながりがあるらしい。その為、術式にはその魔術師の内面が大きく現れると言われている。
・"眠り姫の呪い":呪詛吐きが使う特殊術式。一個から十二個までの"祝福"を相手に与える代わりに、相手を害する"呪い"をかける。"呪い"は"祝福"の数に応じて重くなる。"祝福"は相手の持つ可能性(才能)の開花或いは書き変えをする事で発動する為、願いを叶えるなどと言った事ができるわけではない。"呪い"は時と状況を決めて行う。元にした物語の影響か、呪い発動の引き金となる事象は術者本人が用意する必要がある。但し、呪いが発動すれば必ずそうなる、というだけで、それ以外の事でそうなる可能性がなくなるわけじゃないし、例えば死の呪いをかけられたら、必ず呪いが原因で死ぬというわけでもない。
・魔術:存在に至るプロセスを抜きにして現象を引き起こす技術の事。扱う事の出来る術や威力には個人差があるが、学べば誰でも幾らかは使う事が出来る様になる。学ばずに使えるようになる者も偶にいる。そういう者は大抵特殊な術を使う事が出来るが、逆にそれしか使えない者も多い。単純に魔術のみを使う者を"魔術使い”、己れの術式を持つ者を"魔術師"と呼ぶ。魔術師の上位階級として"魔律師"というのもあるらしい。熟練した魔術師は複数の術式を使い分ける事の出来る者が多いが、一つの術式を極める者がいないわけではない。