10、英雄と呪いの話 S
9に出てくる時空王の若いころ(?)の話
昔々ある所に、一人の少年がいました。少年は触れたものの過去や未来を見通す異能を持っていました。村には一つの掟がありました。白い髪、赤い目を持つ者は15になる前に天の神様のところへ帰さなければならないのです。なぜなら、白い髪と赤い目は神様に選ばれた証だと言われていたからです。少年は美しい銀の髪と赤紫の瞳の持ち主でした。
少年:異能を持つ存在。運命論者。全てにおいて無気力。15の誕生日に”神様のところに帰される”という事を知ったため、余計にニヒリスト。流されるままに生きているところがある。天然。
・後の時空王。初めて大好きになった少女を救うため、英雄になり、そして”呪い”で時空を超越した存在になったため、時空王と呼ばれるようになった。世界の調整者である。
・世間的に、私情で英雄になった事は知られていないので、立派な人だと思われている。
少女:少年が”神様のところに帰される”時に唐突に現れた。強引、マイペース、俺様思考。常にプラス思考で、とても行動的。”帰そう”とする大人たちにも怒るが、大人しく”帰され”ようとしている少年にも怒り、少年を外の世界に連れ出す。
・世界崩壊を防ぐための鍵として生み出された存在。様々時間と世界を回り、それを元に崩壊を防ぐ役目を使命として持っている。
・”死ぬ”ことができない”呪い”を受けている。
死なない事は本当にいい事だろうか。死ぬことは本当に悪い事だろうか。・・・俺にはよく判らないけど・・・でも、君が”ソレ”を望むなら、俺はそれを叶える為に手を尽くすよ。
だって俺は君が大好きだから。
役目とか使命とか運命とか・・・面倒くさいし、つまんないじゃん。それよりもさ、楽しい事とか、面白い事とか、キレイなものを見たり、美味しいものを食べたり・・・そういう事のがいいでしょ?・・・全部覚えてなきゃいけないのに嫌なことばっかり覚えてるのって嫌じゃん。
考えても見てよ。いつも動き回ってる君と、小さな世界で短い生が決められてた俺が出会う確率なんて、そんなもの、すっごく低そうだろ。でも俺達は出会った。それもまた、運命ってやつなんじゃないかな。
・・・ちょ、それキザ過ぎて鳥肌が立ったんだけど。