第二話
「ん〜なかなか取れない…」
俺はついさっき自殺を止めてきた彼女に連れられゲームセンターに来ていた。
連れてきた張本人はクレーンゲームをしている。
取ろうとしているのは手で抱えるようなサイズの熊のぬいぐるみ。
だがどうやら苦戦しているようで
「これ黎夜ならどう取る?」
「もう少し右で、あの部分を持ち上げるようにじゃないか?」
「分かった。やってみる」
その指示を聞いて彼女はまた集中しだす…
待てよ?今こいつ俺の名前言ったか?
「おっ!やった〜!取れたよ!」
「なぁ今俺の名前言ったか?」
「うん、そうだけど…」
「なんで知ってんの…?」
「そりゃ高校どころか学年も同じだもん。名簿辿れば分かるでしょ」
「わざわざ調べたのかよ…で?俺は君のこと知らないんだけど」
「そういえばそっか。私は日月葵、あなたの隣のクラスだからいつでも会いにきてね」
「行かないと思うけど」
「そしたらこっちから会いにいくから大丈夫」
そう葵はぬいぐるみを大事そうに抱えながら言う
「そんなことしなくていいっての」
「んー?私が会いたいから会いにいくんだよ?」
「どうなっても知らないからな」
「それは君の嫌がらせに巻き込まれるから?」
「…さぁな」
「私は気にしないからね」
「あっそ」
「あっ!次あれやろうよ」
「…」
「おーい」
「今行く」
それからというものゲームセンターで振り回され続け、気が付けば日が暮れていた。




