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第一話

夏の終わりかけ,これから秋に入ろうかという日。


今日、俺はこの命に終止符を打つ。


もう流石に疲れた。


俺が死んで悲しむ奴なんて存在しないだろう…


そう思い身体を傾けようときた瞬間…


「なにしてるの?」


そう声がした方を振り向くとそこにはうちの制服に身を包んだ青髪の女子がいた。


「なにって分かるだろ…ここから飛び降りて…」

「それは分かってるよ。なんで飛び降りようとしてるの?」

「…言わせんな…」

「そっか…」


その後の数秒間の静寂を破ったのは彼女の方だった。


「あのさ、もう少し生きてみない?」

「は?なに言って…」

「変なこと言ってるのは重々承知。自殺しようとする人を一番苦しめるのがそれを止めることだって私も思ってる。それでも私はあなたに生きて欲しいの」

「生きて欲しいって…そんな簡単に…」

「それも分かってる。だから条件をつけようと思う」

「条件?」

「…一年。ちょっと長いかもだけど、それだけ生きてくれたら私が絶対に生きたいと思わせる」

「もしそれでも俺が死にたいと言ったら」

「そのときは私が貴方を看取る。一人で死ぬのは怖いでしょ?」


正直こいつに看取られようがなんも変わらない。普通なら断っていた。ただ彼女の(こいねが)う言葉には何か…特別なものを感じた…


「やっぱり…だめ…かな…」

「…分かった一年間ほんとにそれだけだからな」


目の前の彼女は一瞬固まり、すぐに明るい笑顔を浮かべる。だけども落ち着いて


「ありがとう」


とそれだけ言って頭を下げる。が直ぐに頭を上げ


「それじゃあ早速行きましょう!」


そう言って俺の腕を引っ張る。


「えちょっ…」

「なにぼーっとしてるの?一年なんてのは長いようで短いんだから。早く楽しまないともったいないよ?」


さっきちょっと長いとか言ってなかったか?という疑問をなんとか抑え彼女に引かれるままに街へと飛び出していく。


一年なんて許可しなきゃよかったかもしれない…


そう思いながら名も知らない彼女との一年間が始まるのだった

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