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些細な関門

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

三緒様ってのイメージはずっと人魚姫なんですが、人魚姫なせいか驕ってるイメージがありません。


それはもう、綺麗な人だった。浅葱の夢見る瞳に、サラサラした白髪。肌なんて私と比べるのが失礼な程に透き通っていた。そんな御方は、すらりとした白魚の手を伸ばし、そっと私の頬に触れる。

「あぁ、嬉しいなぁ」

そう、感嘆混じりにぼやいて、そっと手を離した。取るに足らない私の目を見て、そこはかとなくお喜びになる。あぁ、この方は、この方は、位が高い方なのに、決して驕らない方なのだ。


正月元旦早々、神社に行く事はしない。理由としては幾つかある。人混みに気遅れする。近くの店は総じて閉店。この二つが大きい。だから家から一歩も出ずに、昼寝をかましていた。

すると夢の中に私の身長など優に越す、長い体を持った白蛇と対面した。白蛇はくるりと私の体に巻き付くと、耳元に顔を近付ける。

「夢の中でも、貴方は綺麗だ」

そう申し上げると、身体に絡み付いていた胴が消え去り、耳を弄られる感触がした。見上げると、澄んだ白波と相対した。

「有難う。そう言って貰えると、とても嬉しいよ」

お世辞じゃない。心の底からそうお思いになり、そう仰っている。

「三緒様は綺麗な顔をなさっておりますのに、決して驕らないのですね」

少女漫画の読み過ぎであろうか? 主人公の相手方は大抵その光の顏に胡座いている。そうしてそれに靡かない事から好奇心を持つというのが当たり前だと思っている。すれ違えば誰もが振り返り、愛してやまない顏。それ故に謙虚さを忘れているのかも知れない。

けれども三緒様は初めてお会いした時から今日に至るまで、ただ無邪気に、ひたむきに私と接して下さる。

「私がどんなに綺麗な顔をしていたとしても、それが君の好みに合うかどうかなんて、分からないだろう? だから好みに合えば幸運。合わなければ当たり前。そう思って気に入った子には通うようにしているよ」

そう仰って、逃げられないように顔を固定して、真上から御自身の顔を晒す。逆様になっても、ずっとずっと綺麗だった。

「私にとっては些細な関門。だって気に入ったら通うもの。好きになってくれるまで」

「やはり貴方は綺麗だ」

その顏だけでなく、御心までも。

三緒様のイメージは依然として、人魚姫なんですけど。

あの健気さとか。一途さとか。

神様のなのに、しれっと人に変化して、通い婚するところとか。

そのせいか、神様特有の傲慢性が一切ない気がするんですよ。


※高位の生き物の傲慢性もごつく好きなんですが。人外味あって。


少女漫画の出会いって、今まで自分に靡かないから好きになる。ってパターン多いじゃないですか。

『君さぁ、それは恋じゃなくて、物珍しさだよ。珍獣見て興味持つのと一緒』

とか思ってたんですが。その傲慢性が好きじゃないんですが。


三緒様は多分、自分の綺麗な顏に靡かれようがなかろうが、気に入ったら好きになってくれるまで通うから、些細なことなんだろうなと。

何方かと言えば、見る側が三緒様ですし。

御自身が惚れてから行動移す感じですし。

徹底的に好きな物調べて来そうな気がしますし。


そんな粋なところが好きです。

さり気なく渡す和歌に相手の名前入れたりとか。

真顔になりますよ。想像を超えたサプライズ受けると。


※よろこび超えると真顔になる人間。

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