Bonus track.
•side.美采
「たこパ! たこパ!」
「TKP! TKP!」
『イェイ!』
テーブルのたこ焼き機を前にして、二人で仲良くはしゃぐ結々と雫。
一昨日の町おこしイベントでのライブは無事──とは言えないかもしれないけど、全員揃って終える事が出来た。なので、今日はその打ち上げとして『A’Ste×ride.』のみんなでたこ焼きパーティーをする事に。
だから、別にはしゃぐなとまでは言わないけれど。全く、少しくらいは他人の家に来ているという事を念頭に置いててほしいものね。
「すみません。 お姉ちゃんが騒いでしまって」
「別に貴方が謝る事じゃないわよ。 それに」
「…………」
たこ焼き奉行だが何だか知らないけど。般若のような形相でずっとたこ焼きと睨めっこをしている菊花よりはマシだし。
「ところでよく二台もあったわね。 たこ焼き機」
「一つは菊花の自前だよ。 もう一つは昨日買ってきちゃった」
「ふーん。 そう」
わざわざ今日の為に買ってくるなんて。何とも結々らしいと思った、その時。
「あ、そうそう。 このたこ焼き機は美采の家に置いて帰るから」
「なっ⁉︎ 貴方またそうやって」
ただでさえ以前から置いて帰ってる数々の調理器具で困っているのに、次はたこ焼き機まで……。
「この際だから言っておくけど」
「これでいつでも美采の家に集まってたこパが出来るね!」
「……あーもう」
時折、結々はわざとそういう事を言ってるんじゃないかと思う時がある。もしそうだとしたら。
「結々。 もうひっくり返して大丈夫だよ」
「おっけー、菊花! よーし、いっくよー! 雫!」
「ハイデス!」
「あ。 私もやってみたいです」
「じゃあ、そっちは茜ちゃんに任せた!」
「です!」
「…………」
「ほら、美采もやろうよ!」
「フッ。 最高のたこ焼きを作ってあげるわ」
「は? それは聞き捨てならない」
「あら、また張り合うつもり? 次は勝てるといいわね」
「これは。 ビーチバレーのようにはいかないから」
「あはは……。 菊花。 まだそれ根に持ってたんだ」
──これから先も、こういう時間を大切に。




