争奪戦
慌てて冷蔵庫を確認すると、そこにはショートケーキが3つ。数を間違えた。しかし、一尾多く用意されているならば、ロブスターをショートケーキの代わりにする他ない。ロブスターの後のデザートがロブスター。悪くないだろう。
問題は、誰に二尾目のロブスターを出しショートケーキを諦めさせるかだ。もちろん、私はロブスターもショートケーキも両方頂く。当然だ。
「3人ともよく聞いてくれ」
私の改まった口調に3人は戸惑う。まさかこの中の一人から、デザートにロブスターを食す人間が出るとは想像もしていないだろう。
「ショートケーキが足りない。3人でじゃんけんをしてくれ。すまないが、負けた人のデザートがロブスターになる。」
一気に3人の目の色が変わった。田中は真っ先に声を上げた
「ロブスターは頂きます。ここはなんとしても負けますから覚悟してください!」
そう来たか。田中はショートケーキよりロブスターを食べたいらしい。スポーツ選手さながら、手首をほぐし関節を鳴らし始めた。意気込みは充分のようだ。
意外にも、3人共同じように気合を入れて、殴り合いでも始めそうな気迫を出しじゃんけんを始めた。従順だ。
これで私のショートケーキは無事確保できると思い、ホッと胸を撫で下ろした。
じゃんけんはというと、あいこが続き白熱するも勝負がつかないようだ。そこで、何かを思いついたように田中が立ち上がり、衝撃的な一言を放った。