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7 魔法と制限とステータス 2

本日二話目になります。

読み飛ばしにご注意ください。

 あれから暫くして、断続的に思い出している様な感覚が完全に無くなる。無くなったと同時に、〈スマートウィンドウ〉が自動的に起動した。

 起動した〈スマートウィンドウ〉に目を向けると、女神様がモデルと思われる、可愛くデフォルメされたイラスト。そのイラストと共に、文字がコミカルに表示されていく。


〔ちゅーとりある くりあ おめでとう!〕


〔ウィンドウコンシェルジュ(お姉ちゃん)を常設しますか?〕

〔YES or NO〕


 ふむ、なんだこれ? サポート機能みたいなのか? 元からあまりこういうの好きくなかったし、付けなくても良いかな。

 とりあえず、いいえ。NOっと。


〔便利なコンシェルジュ機能のお姉ちゃんを常設しますか?〕

〔YES or NO〕


 ……誤操作をしない為に確認を何段階かする事もあるし、きっとそういう感じの確認だよな?

 まぁ、確認されても常設はしないから、NOです。いいえ、しませんっと。

 

〔本当に常設はしませんか?〕

〔YES or NO〕


 また確認かぁ。のぉ――ッと、あっぶない。流れでNOを選択する所だった。たまにあるよな、流れで押しちゃう事。しかも、途中で違うって気が付いたとしても、体が反応しなくて間違えて押しちゃうんだよな。

 今回は推す前に気付いて止められたから良かった。しっかりと確認して、本当に常設しませんので、い・え・すっと。

 ふぅ、さてっと。いろいろな疑問が一気に解決したから、確認とか準備をしはじめますかぁ。


〔どーしてもですか?〕

〔YES or NO〕


「しつこいよ! どんだけコンシェルジュ機能おすんだよ! これ以上やったら嫌いになるよ!」


〔コンシェルジュの常設は早急に一時停止します。新しい人生を存分にお楽しみください〕


「これアビリティとかじゃなくて、女神様(お姉ちゃん)が直接操作してるんじゃないか?」


 気を取り直して。実際に魔法やギフトを使ってみて、いろいろ確認しよう。

 というか、疑問が解決した今、本当は早く使ってみたくてウズウズしている。実際に魔法とかが使える思うと、ワクワクして仕方ない。


「まぁ、チュートリアルは魔法やアビリティ全般の発動の仕方とか、自分が貰った転生特典の効果とか、本当に基本的な部分だけっぽいな。それ以外は〈万能マニュアル〉で確認するしかないか。どーせならその辺もまとめて覚えられたら良かったのに」


 なんて、不満げな事を口に出してはいるが、顔はニヤつきが抑えられていない。もう心の中はワクワクしっぱなしだ。


「よし、やるか! 最初は何を確認しようか。自分のステーテスも気になるけど……。やっぱり魔法だよな。転生特典でもらった希少属性の【】と【つき】はなんか万能属性っぽいし。うん、決めた! 定番の火を飛ばす系のヤツにしよう!」


 チュートリアルの知識で分かった事だが、俺の持つ二つの属性は他の属性の上位に位置する様な感じらしい。全属性をカバー出来る訳じゃ無いみたいだけど、この二つだけでほとんどの属性をカバー出来る。まさかこの二つの属性だけでも、ここまでチートだとは思ってもみなかった。

 ちなみに、この二つから派生して、他の属性に分かれるらしい。この辺の他の属性の特徴とか、この二つが対応していない属性なんかは、後で余裕が出来たらじっくり確認しよう。

 今はとりあえず、魔法が使ってみたい。さて、初めての魔法は何にしようか?


 暫く悩んだけど、効果が分かりやすそうなのが良いと結論を出す。となると、ファイアとかの火系の方が見えるし分かりやすいか。物語とかでも定番でよく使われてるし、最初はこれにしよう。


「えーと、最初にしっかりと『行使する魔法のイメージ』と、『魔力の濃度のイメージ』。次に『発動させる場所、もしくは、目標』を確認。最後にトリガーとしてグッと『使う意思を込める』っと。……せーのっ――ッ!」


 ……あれ? なんもでない?

 おかしい。使い方はチュートリアルの知識があるから、自然と理解済み。まぁ、なんかざっくりした知識しか、引き出せないけど。

 その上でちゃんと初歩のやり方を口に出して確認しながら、しっかりやったはず。応用とかはやって無いから、合ってるはずなんだけど……。

 これで発動するはずだ……。煙すらなんもでない? やり方を間違えてた?


「もう一度やり方を確認するか。チュートリアルの簡単な例え的なのによれば、たしか……。えーと、目の前にリンゴがあって、それを取る時の一連の動作みたいな感じで考えるっと。まず、手で取るか道具を使うかなどの方法と、握力などの力の強さの選択。次にリンゴとの距離を把握。最後に行動しようとする意志が大切……。よし、もう一度やってみよう」


 チュートリアルで得た知識や感覚を、一つ一つ丁寧に口に出して確認。やっぱり魔法の知識が、割と雑な感じでしか出てこない。

 でも間違ってはいないから、もう一度ファイアの魔法をイメージする。今度は先ほどよりも綿密に丁寧にイメージし、魔法を使いたいという強い意志を込めながら。


「よし、せーのっ! ……。やっぱり出ない?」 


ピコンッ!


〔攻撃魔法とみなされる魔法構築、及び、起動は攻撃魔法禁止制限に触れている為、構築・起動を停止しています〕


「……はぁぁぁ!? いやいや、ちょっとまって!? たしかに、女神様からそんな事言われた気がするけど! 実際に攻撃するわけじゃないじゃん!? 今のもダメとか判定厳しすぎない!?」


 ロマンが……。ひそかに憧れていた、魔法がある世界に転生したらの浪漫ろまんが……。

 というか、チュートリアルの知識で、人を襲う魔物がいるっていうのもあったんだけど、そんなのと遭遇した時どうしろっていうのさ!? まさか、一度もケンカした事のないこの拳で闘えと!? 

 いや、別にハンターギルド的なのに登録して、「なんだあの新人は!?」みたいなテンプレはそこまで期待してないし、どちらかと言ったらスローライフが好きだけど。でも、男の子だったら少しはそういうのに憧れるじゃん? 夢見ちゃうじゃん!

 ……ちょっと待てよ。所持してるギフトの中に、物理チートなのがあればワンチャンあるか? それ次第では、剣で物理無双出来るかもしれないか?


「よし! まだ希望はある! とりあえず、後回しにしていたステータスをみて、何があるのか確認しよう! えーっと、ステータスの確認方法は確か……。自分の内側を目の前で、俯瞰的ふかんてきに見るイメージを明確にっと」


 自然と浮かんでくるやり方を口に出しながら、自分の中にある何かを、感覚を頼りに外に出してみるイメージをする。

 すると、何故か〈スマートウィンドウ〉が起動し、スッと文字が表示される。


〔ステータスの起動が初回の為、初期設定を行ってください〕


「……ほんとにここは異世界なのだろうか? まぁ、ここで手間取っていても仕方ない。とりあえず、初期設定って最初は何をすれば良いんだ?」


〔名前を入力してください〕


 あー、名前かぁ。前世の鈴木裕のまま――はだめだよなぁ。そもそも性別が違うし、この世界の主流が英語圏みたいな名前らしい。

 こういう名前を考えるのは得意ではない。なんとなく真剣に考えてしまって、なかなか決められず時間がかかってしまう。

 だが、今回は時間をかけて考えてる状況でもないし、こだわらずに安直な名前で決めてしまおう。


「前世の名前が鈴木裕だから……。鈴でベル。木でツリー。裕は……そのままユウでいいか。それを外国風にユウ・ベルツリー。んー、何かそれっぽくないな。べるつりー、べるとぅりー……ベルトゥーリで良いか。なんかそれっぽいし。よし、名前はユウ・ベルトゥーリで決定で」


〔ユウ・ベルトゥーリ で本当によろしいですか?〕

〔YES or NO〕


 はい、よろしいです。いえすっと。


〔初期設定が終了しました〕

〔続けて任意設定が行えます。任意設定は後からでも設定、及び、変更可能です〕

〔任意設定を行いますか?〕

〔並行して、コンシェルジュ設定も行いますか?〕

〔YES or NO〕


 ……。

 ステータス自体どういう感じなのか分からないし、任意設定も何を設定するのか想像できない。とりあえず、最初にステータスを見てから任意設定をしようかな。

 

「のー。い・い・え、後から設定しますっと」


〔任意設定はステータス中に設定を指示してください〕

〔ステータスを表示します〕


 スッとウィンドウが切り替わり、俺のステータスが表示される。

 実際に自分のステータスが可視化されるっていうのは現実感がなくて、これが俺のステータスっていう実感が沸かない。

 沸かないが目の前に表示されている自分のステータスに目を通して、無双出来そうな物がないか確認しないと。


――ステータス――

名前 ユウ・ベルトゥーリ 

性別 女

年齢 16歳

犯罪 無し


以下任意表示項目


魔法(表示)

【日】 

【月】


アビリティ(表示)


スキルアビリティ(表示)


ユニークアビリティ(表示)


ギフトアビリティ(表示)

〈無限収納〉

〈スマートウィンドウ〉

〈全知の地図〉

〈知識の泉〉

〈言語対応〉

〈隠蔽〉

〈全耐性・極〉

〈反射の鏡〉

〈魔法補助・お姉ちゃん直伝〉

〈魔力操作・お姉ちゃん直伝〉

〈姉の恵み・魔力操作依存〉

〈姉の治癒・魔力操作依存〉

〈姉の護り・魔力操作依存〉

〈万能マニュアル〉


称号(表示)


加護(表示)

お姉ちゃん(女神)の加護 ※攻撃魔法禁止制限】


なお、ステーテス詳細は項目を選択後表示可能です。

〈スマートウィンドウ〉とクラウドしています。

〈スマートウィンドウ〉から〈隠蔽〉でステータスの偽装も可能です。

――終了――




「……うわぁ。思ったよりもひどいチートだった。けど、しっかりと加護の所に攻撃魔法禁止制限が記載されてる。それに、物理攻撃系のモノはないか。かろうじて、〈反射の鏡〉が攻撃として使えそう。とは言っても、これは相手から何かされないと発動できないっぽいし」


 ステータスを確認してから、改めて自分がチート転生したと認識した。……が、期待していた物理攻撃系のギフトが無い事と、攻撃魔法禁止の文字がどうにも諸手もろてをあげて喜べない。

 まぁ、とりあえず守る事に関しては何の心配も無さそうだし、そこまで自分が強い事にこだわりはないし、諦めるかぁ。

 けど……戦いたい訳じゃ無いけどもっ! 定番の攻撃魔法使ってみたかったなぁ。それだけが残念で仕方ない。


「はあぁ……。せっかく魔法が使える世界なのに……。憧れていた魔法がこんな形になるなんて。……はぁ、魔法はいったん置いといてギフトの確認しよう」

間違いを探している時って、何かもう全部間違えてる様に見えてきません?

ほら、テストの見直しとか。

どうも、紬 いとです。


前話の後書きで言っていた通り、あらすじと少しだけ誤字・脱字の修正をしました。

念の為再度お伝えしますが、内容の変更は一切していませんので、読み返しは必要ありません。

……もしも投稿が順調に長く続いている未来で、『最初から読み返してみるか』と思ったその時は、読み返して頂けたら嬉しく思います。


さて、今回は私にしては短い後書きな様な気がしますが、最後。


ここまで目を通して頂いた、心優しい皆様に感謝を。


紬 いと

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