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3 ホントニ イイノ?

地の文、地の文、地の文、ちのぶん……。って意識して書いていたら、「もう訳が分からないよ」ってリアルになりました。

それと言葉のみのキャラ付けって難しいデスね。(言い訳ですが何か?  キリッ)

「……もう一度今の言葉言ってみて」


 ん? 今の言葉とは?

 それに、さっきまでと雰囲気が違う様な。

 あと、何故か女神様がじわじわ近ずいて来ている様な。


「はい? 今の言葉とはなんでしょう? もしかして、家族に近い存在という表現が不快でしたか?」


 なんだろう? 何か気に触ることでも言っただろうか? 最初は面倒くさそうだったけど、普通に質問に答えてくれていたと思ったんだけど。

 と言うか、もしかしたらまずい状況になって来たかも? ……もし女神様を怒らせたとしたら、――やはり地獄とか!? マズイ! ちょっと(あせ)ってきたかも!

 ふとそんな事を考えてしまった為、あせってあたふたしていたら、女神様が()れた様に言ってきた。


「違う。そこじゃ無い。最後に(つぶや)いた言葉の方! 言ってみて!」


 (つぶや)いた方? 最後に?


「お姉ちゃん?」


 (つぶや)いたのは、これぐらいだよな?

 やっぱり女神様に対して自分と近い存在の様に接し、人間と同列(どうれつ)(とら)え方をしたのは不味かったのだろうか?


「良い!! 凄く良い!! なんだろう? 奥の方からムズムズする、むず痒い感じ! でも! そのむず痒さが心地良い! 他の存在と事象のズレの折合わせで連繫する時の、無機質な遣り取りでは感じた事がない暖かさ! あぁ、この子を守ってあげなきゃって使命感! 照れ臭いんだけど! 満更でもないかなコレは!! ちょっともう一回言ってみよう? ね? 大丈夫だから! 恥ずかしく無いからね! さぁ! もう一度! いや、何度でも!」


 ……あせってビビって消費した俺の心の耐久値を返してくれないか?

 アレ、コレ殺される? とか考えちゃったじゃん! 俺、もう死んでるらしいから殺せないけど!

 いや待てよ。最初の説明の方に、本来であれば消すみたいな事言ってた様な。

 今が特殊なんであって、もし通常通りの対応を女神様にされていたら俺は消えていた。しかも、もし原因が解決してしまったら、この話は無かった事になりかねない?

 ……うん、深く考えるのを止めよう。


「どうしたのかな!? なんで急に黙っちゃったのかな!? あれ!? ねぇ!? もしかしてタダでは言わないよ! みたいな感じ? なら、転生は本来記憶が初期化されるんだけど、そのままに残してあげる! それに、そのまま違う世界に転生させるだけだったけど、凄い能力あげちゃうから! 私まわりから怒られるかもだけど君にあげちゃうから!」


 あー、なんかこの女神様興奮すると凄く喋るタイプみたいだ。今も現在進行形で話掛けられているけど、深く考えるのが怖くなって思考停止して聞き流している。

 それにしても、最初の方は無理に偉そうにしてる感じだったのに、今はもう面影も無く良く喋るなぁ。

 あと、いくら自分の存在に近い姿をしていると言っても、実際は家族では無い美人さんに詰め寄られて少し照れ臭い。


 暫くそんな話の本題と関係無い事を、現実から目を背ける様に考えていた。でも実は気になる言葉も出てきていたので、そろそろ女神様との対話に戻ろう。


「記憶を残してですか? それは今迄いままでの俺の人生の記憶を、――って事であってますか?」


 そう、この言葉ワード

 今までの話の感じだと、そもそも本来は記憶は消えるはずだった。けど、なぜかはよく分からないけど、転生させて貰える事になった。

 ここ(までは良かった。……死んでるから良くはないけど、とりあえず転生という形で俺として踏み留まれたのは幸運だと思う。

 けれど本来であれば何も知らないまま、記憶もなにも無い状態で転生するはずだったって事だよな。


 ナニソレコワイ。


 何もわからない別の世界……もう面倒くさいから異世界って言おう。とにかく、何もわからない異世界に記憶も無く転生。女神様から見たらそれは俺だけど、転生した俺からすればそれすらわからない。

 あれ? なんだか本格的に底知れない不安感で凄く怖くなってきた。

 やっぱり原因が解消されたら消されるのだろうか? 記憶を残すか残さないかも女神様次第なのであれば、失礼な態度を取りすぎた?


「おや? おやおやぁ? メリットを提示したら急に食いついてきたねぇ。君って現金な子なのかな? もう欲しがりさんなんだからぁ。ふふん。そんな所もお姉ちゃんと呼んでくれた子の甘えだと思ったら可愛く見えるかな! 良いよ! ちゃんと教えてあげる! お姉ちゃんがっ!」


 ……どうしよう。

 俺が真剣にこれからの事を考えて、不安になって恐怖している時にこのウザい感じ。さっきまでの恐怖が裏返って、少しだけ女神様に怒りがこみ上げてきた。

 けれど、我慢だ俺! 今の俺の状況が不幸なのか、幸運なのかは分からない。だけど、地球で生きてきた今の俺として転生出来るかどうかは、今にかかっている気がする!

 それに何故か呟いた事に対して、女神様はプラスに反応してくれている。記憶を残してくれて、凄い能力? も貰えるみたいだし、まずは詳しく話を聞こう。


「すいません。まだ少し頭の中の整理が追い付いていないので、出来れば説明を分かりやすくお願いしても良いでしょうか?」


「うんうん。教えてあげるよ! 私をお姉ちゃんって呼ぶ可愛い子が、知識も無く別の世界に転生したら心配だからね! でもその前に、私は君のお姉ちゃん! だから、気を使った様な言葉遣い禁止かな! あと、もう一度お姉ちゃんって呼んで! でないと説明しません!」


 はい? いやいや、何をおっしゃっているのでしょうか。

 言葉遣いをフランクにするのは百歩ゆずって良いとして。大卒の社会人の男が初対面の女性に対して、『お姉ちゃん』ってハードル高すぎない?

 小学生の時に先生の事を、お母さんって呼んだ時の比じゃないくらい恥ずかしいんですが。


「あれ? また、だんまりさんなのかな? それとも、まだ足りないよって事かな? もぉ〜。仕方ないなぁ。じゃぁ、これからずっとお姉ちゃんって呼んでくれるなら、さっき言ってた能力とは別にお姉ちゃん特典もつけちゃおうかな! どうかな?」


 黙考もっこうしてたらまた能力貰える事になったんけど? これはしばらく黙ってた方が良いパターンなのだろうか? 

 いや! これはここで欲を出すと全部無くなるパターンだ! 競馬好きの会社の上司がそう言ってた!

 もう恥ずかしいとか言ってる場合でも無いし、俺の転生した後の為に言うしかない。


「わかr……わかった。ぉ姉ちゃん」


 わかってた! わかってた事だけども!! めっちゃ! 恥ずかしいんですが!!

 はぁー。よし! お姉ちゃんって呼ぶのが普通って自己暗示を掛けよう! お姉ちゃんって呼ぶのは普通お姉ちゃんって呼ぶのは普通お姉ちゃんって呼ぶのは普通普通普通普通普通⋯⋯。

 ……ハッ! 危うく“普通”がゲシュタルト崩壊しそうになった。


「ん〜! ん〜〜! うん! うんうん! ふふふ、ふふふふふふふ。もうこの子は私が護る! そう決めた!」


 どうやら輪廻を管理する存在に護って貰える事になった様だ。

 支払った精神的代償は大きかったが、その分の見返りも大きいだろう。…たぶん。


「ふふふふ。じゃぁ、説明をしようかな。よく聞いてね? もし、もう一度同じ事を聞きたい時は、『もう一度教えて、お姉ちゃん』って甘えた感じで言ってもらうからね」


 よし! 全力だ!

 全力で説明を聞くんだ!

 神経を! 感覚を研ぎ澄ませ!


「まずは、君が転生する別の世界は君が元いた世界、つまり、地球とは世界の法則の根幹が違うの。簡単に言うと、魔法があるのが一番大きな違いかな。その他にも細かく違いは有るけど、原因は違うのに結果は同じみたいな事も有るからはぶいちゃうね」


 ま・ほ・う?

 え? 本当にそんなファンタジーな世界あったんだ?

 て言っても、すでにこの状況がファンタジーだった。

 うん、いまさらだ。


「それでね、その世界には人種が地球よりも多いの。君たちで言うところの、獣人とかエルフとか小人とか。それ等を全部纏めて人間種。(ちな)みに、君みたいな子はその世界では人間種の中の“プライモーディアル”で略称が“プライ”。でも、一般的には人間って言ったら、一番数が多いプライの事を言うからあまり変わらないかな。それと、精霊とか幽霊みたいな実態を持たない種を念体ねんたい種。中には依り代を媒介としてとか、力を付けて成長した念体ねんたい種の中には実体化できる子もいるかな。まぁ要するに、君たちの世界の幻想をテーマにした物語と同じ様な世界だと思って良いかな」


 ぷらいもーでぃある? が人間。

 エルフにドアーフ、精霊まで⋯⋯。

 え? ホントに? コレ、アレだよね?


「うん! その捉え方で間違いないかな」


 心読まないでもらえます!? 心読まないって言いましたよね!?


「ふふふ。心なんて読まなくてもお姉ちゃんには君の事はお見通しかな! だって私お姉ちゃんだからっ!」


 お姉ちゃんだからって理由でお見通しにされてたまるか! もしそうなら世界中の弟の大半が姉に黒歴史や破廉恥な妄想までお見通しにされて、もだえ苦しみ悲しみの涙を流す結果になってしまう。

 でもまぁ、この捉え方で合ってるって確証が得られたので少しありがたい。自分の考えが正しいか分からない時は不安になるけど、その不安が無くなったわけだし。

 そんな確証が得られた上で、趣味でラノベや漫画などジャンル問わず読んでいた俺にとっては、転生してもある程度の対応が取れるのではないだろうか。転生ファンタジー物もよく読んでワクワクしてたし。

 ……最近読んでたあのラノベの続き更新されたのだろうか? されているのなら読みたかった。

 おっと、少し思考がそれたから話を戻そう。

 まぁ、それ程よく読んでいた物語とこれから転生する世界が類似している。

 そして、それを踏まえた上での自分の知識が、女神様がこれから説明しようとしている部分が重要だと訴えて来ている。

 

「とりあえず、世界の名前とか、細かい部分は転生してから自分で学んでね。今は本当に基本の部分と、転生した後の君自身の事を教えるから」


 なるほど。

 確かに、世界の名前や物の単位とかは、転生してから補完ほかんすれば良い。

 だけど、自分にとって未知の部分の魔法や自分に与えられる能力を把握はあくしているか、していないかで大きな差になるだろう。それに自分の既知の知識とこれからする話を照らし合わせても問題がないと確証も得られている。

 先程よりもしっかりと話を聞く姿勢、傾聴姿勢けいちょうしせいをとって次の説明をお願いしよう。まぁ、身体がないから姿勢も何もないけど、気持ち的に。


「わかりました。説明の続きをお願いします」


「うん? 言葉遣い違うよね? それと、もう一つ忘れてるかな」


 あー、やっぱり言わないとダメですか? 

 なんとなく緊張した雰囲気のまま進めば、『お姉ちゃん呼び』がなぁなぁになると期待してたんだけど。その為に、心の中もちょっと真面目な感じを醸し出していたのに。

 転生する時少しでもプラスになるならとは思うよ。でも、やっぱり『お姉ちゃん』って呼ぶのは、恥ずかしさから若干の抵抗がある。

 けど、言わないと先に進めなそうだし……。


「はぁ。……お姉ちゃん、説明の続きを聞きたい」


 もう諦めよう。

 少し哀愁あいしゅうを漂わせてしまったけど、プラスに考えるんだ!

 よくよく考えてみたら、お姉ちゃんって呼ぶだけだ!

 それだけで、記憶を残してもらえたり、凄い能力が貰えるんだ!

 心を無にしてお姉ちゃんを受け入れるんだ!


「うんうん! でも、なんだか元気がないかな? お姉ちゃん心配になってきたよ! 知らない世界で体調崩したり、悪い奴にイジメられたりしない様に、耐性系もたくさん付けておくね!」


 アリガトウ、オネイチャン。

 コンナニモラッテ、ホントニ イイノ?

今回も最後まで読んでくださりありがとうございます。

さて、前回の後書きでも記しましたが、投稿予約を間違えてしまい図らずも急発進してしまった本作品ですが、少ないですがストックは数話分あるのでこのまま継続していこうかと考えています。

ですが、私の書き方が一話を書いたら読み返して推敲して、今度は前話と繋げて読み返してと、私の執筆が恐ろしく牛歩ですので、かなりゆっくりとした投稿になってしまいます。

投稿自体は理想は隔週としたいのですが、仕事もありますのでストックが無くなったら不定期投稿に切り替えたいと考えています。

また、ストックが無くなるまでは隔週としましたが原稿の進み具合や、プライベートの都合上投稿が遅れる可能性も十分に有る事をご理解、ご容赦頂きます様お願い致します。


さて、今回も長々と話してしまいましたが最後に。


ここまで目を通して頂いた、心優しい方々に感謝を。


 紬 いと


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