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愚か

作者: 大澤豊

やましい事しか考えられない私は愚かな人間だ。そう思っていたら、意外にも幼馴染にこう言われた。

やましくてもいいよ、それで結果を残せるなら。目的なんて何でもいいんだ。結果をちゃんと残せるなら。大切な事を見失ってはいけない。お前がどうしたいか、それが大事だ。

なんだか励まされた。嬉しくなる。

幼馴染は真顔で続けた。

この高校、進学校だけど、将来性を考えて、みたいな純粋な理由で受けた訳じゃないんだよね。お前がこの高校を目指すって言うから受けただけ。

え、と私。

つまり、と幼馴染は真顔のままだったが、その顔は次第に赤くなりつつある。

やましい理由でも、俺はこの高校を目指し、散々勉強したことは無駄じゃないと思うし、お前と一緒の高校でとにかく幸せだと思う。

私は言葉が出てこなかった。

やましい事しか考えられそうにない。私はやはり愚かな人間だ。そして、私に突然カミングアウトした幼馴染も愚かな人間だ。

二人で噴き出した。愚かな会話の繰り広げられる午後の事だった。

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