発覚 ミーナ
リークにに寄り添いながら、中央広場にやってくるとそこは人間だらけだった。右を見ても、左を見ても…恐怖が心を襲う。演奏隊が生み出す大きな音も恐怖心を煽った。
「中央に何の用事なの?」
リークの声が聞こえる。どうにか声を絞り出す。
「お父さんを探して…」
彼に問われるがそれどころではない、お父さんを探す。何処かに捕らえられているはず。早く見つけて助けないと…
「どんな姿?僕も探すのを手伝うよ。」
リークに聞かれるが答えられない…
黙って、周りをを見渡していると一人の女の人が近づいてくる。その人自体には見覚えがないが、身につけているものにははっきりと覚えている。仲間を散々に殺していた奴らと同じものだった。怒りと同時にそれより大きい恐怖が私を襲う。
「ッ……………」
きずいたら私はそこから逃げ出していた。
「ハァ…ハァハァ」
転びそうになって足を止める。周りを見回してもリークは見当たらなかった。不安が大きくなる。
「スーーーー、ハーーーー」
一呼吸して気を持ち直すと、さっきの奴と同じ姿をした人間を避けながら父親が囚われているであろう場所を探す。早くしなくては…
パパンッ、
歩き回っていると、急に音が静かになる。演奏が終わったのだ。
マイクを持った司会の男がステージ上に上がった。
「えー、続きましてー。この度、英雄の方々は我々人類に対して残虐非道の限りを尽くした悪魔の一味を数人捕まえてきてくださいました。これよりその公開処刑を行います。」
血の気がスーと引いていくのが自分でも分かった。私は間に合わなかったのだ。気づいたらステージに向かって走り出していた。
お父さん…
体がふらつく。でもここで倒れるわけにはいかない。
お父さん…
人にぶつかって、跳ね飛ばされる。でも止まってはいられない。
お父さん…
気がつくとステージの前まで来ていた。目の前ではお父さんが手足を縛られ十字に縛り付けられている。身体中ボロボロだった。
お父さんと目が合う。そのとき
「悪魔が出たぞー。」
「取り押さえろー。」
私は一瞬で、周りの衛兵たちに取り押さえられた。さっき飛ばされた時に尻尾が出ていたのだ。
それでも、私は手を伸ばす。
「おとうさぁーーーん。」
「早く連れいけ。イベントの邪魔だ。」
衛兵達が私を引っ張って行こうと私を担ぎあげた。