カナト村
テスト週間に入ったため更新が遅れます。
〜数時間前〜
家からまっすぐに道を下ると、すぐにカナト村は見えてきた。様子は変わっておらず、畑の中に家がぽつん、ぽつんと並んでいる。僕はその中では少し大きい家を目指す。
コンコン、
ドアをノックすると1人の男の人がゆっくりと出てくる。
「どちらさまですか。って、リーク君じゃないか。どうしたんだい。とりあえず入って入って。」
男の人は嬉しそうに、僕たちを迎えてくれる。この人の名前はネール。この村の村長をしている。父さんが死んだ後、僕はネールさんにお世話になっていた。とても気さくで優しい人だ。
「ネールさん、お久しぶりです。ちょっとゴタゴタで……少しの間止めてもらえませんか?」
僕は、濁して答える。ネールさんは少し戸惑った顔をしたが、何かを察してくれたのかそれ以上聞くことはなかった。
机に座ると、ネールさんはお茶と食事を持ってきてくれた。お茶を入れてくれてる間、チラチラとミーナの方を見ていた。やっぱり、気になるのかな…
「朝ごはんまだだろ。簡単なものだけど食べていってよ。」
僕達はお言葉に甘えて、ご飯をいただく。
「で、そっちの女の子は彼女かい?」
お茶を吹き出してしまった。なぜかミーナは顔を赤くしている。
「違いますよ。そのゴタゴタに関係のあることです。」
ネールさんはニタニタと笑っていた。
「このご飯に使われてる野菜はこの土地で採れたものなんだ。リーク君にとっては懐かしいだろー。」
ネールさんは、ご飯に使われてる野菜を指してそれぞれどの家で採れたのかを教えてくれる。どの名前を僕にとっては懐かしいものだった。
「「ごちそうさまでした。」」
僕とミーナはほとんど同時に食べ終わった。ご飯は一瞬で無くなってしまった。
「どういたしまして、じゃあ来てもらったばかりで悪いんだけど、ちょっとお願いしたいことがあるんだよね。僕はちょっと外せない用事があって…お願いできるかな?」
僕達はネールさんにお願いされて、町の真ん中にある唯一の商店に買い物に行くことになった。
「おや、リークじゃないか。ほら、これ。」
「リークくんひさしぶりじゃのぉー。これ、持っててくれ。」
「リークくん。帰ってきたんね。はい、これ。」
僕とミーナが道を歩いていると、脇の畑からたくさんの声がかかる。
お店に着く前には両手にいっぱいの野菜を抱えることになっていた。父親が死んだ後、村長の家で育ったが面倒は村のみんなで見てくれたのだ。
「リークは愛されてるねー。」
ミーナが、笑いながらいう。
「そうかなー。でも、村のみんながいい人だってことは胸を張って言えるよ。」
少し歩くとすぐに目的の商店は見えてくる。昔からある商店だがセネーブにいるときに聞いた話だと彼女が、今はここで働いてるはずだ。そんなことを思いながら店に入る。
「すいませーん。どなたかいますかー?」
奥の方へ向かって声をかける。
奥で誰かが箱のようなものを落とす音がする。
タッタッタッ……
奥からものすごい速さで何かが向かってくる。
「えっ…」
気付いた時には目の前に、長く伸びた足が迫っていた。
ガツンッッッ…
咄嗟のことで避けることもままならず、顔面に直撃する。
「リーク、どのツラ下げて帰ってきたの。」
目の前には店のエプロンをきた、黒い髪の女の子が仁王立ちで立っていた……