あめふらし
今日は朝からざあざあと雨が降っていた。この所の暑さが嘘のように一気に寒くなり、仕舞い込んだ長袖ジャージを引っ張り出すはめになってしまった。
それにしても、家の中にいるのにやたらとじめじめする。海外に旅行へ行ったときに、雨の降る中歩いているのに空気が乾いていて日本との違いを身を持って感じたのを思い出す。
熱帯雨林にいるような湿度の高さに辟易していると、除湿器が悲鳴をあげる。
流石にこれはおかしいな。
湿度計の示す異常な数値に、ようやく何かがおかしいことに気が付く。原因を探るために部屋中を歩き回っていると、どうやら居間だけが水分の密度が高いようだ。
まさか、と思いつつ居間の壁や床を念入りに見ていくと、ねっとりとした道筋が蛍光灯の明かりで光っている。その筋を辿っていくと室内の異常気象を引き起こす犯人がいた。
あめふらしだ。もちろん海にいるものではない。かたつむりに良く似ているが、背中に背負っているのは小さな工場で突き出た煙突からは小さな煙がもくもくと湧き出ている。あれが、高い湿度のしょうたいなのだ。
このままでは、ほんの数時間程度で部屋中がカビだらけになってしまう。どうしたもんか、と悩んだ末にシリカゲルに頼ることにする。
お菓子の袋から「これは食べ物ではありません」と書かれた袋を取り出し破いて中のビーズ状のシリカゲルを床に撒く。
これで、あめふらしは去ってくれるだろう。問題は、除湿剤を失ったお菓子たちを早く食べきらなければいけないということだ。




