取り外し可能
今日は、転んだ拍子に左肩の関節が外れてしまい大変だった。
ぐきり、と嫌な感覚の後、左腕は肩からすっぽりと抜け落ちてしまった。
幸い血が出たり痛めたりはしなかったが、左腕はぐったりとして動かない。関節が外れたのなんて十数年ぶりだから非常に焦る。
利き腕ではなかったのはまだいいが、いかんせん片腕だけでは力が出ず肩に上手く嵌めることができない。そういえば子供の頃は、お母さんや保険の先生がパーツとパーツが組み合わさるように痛みもなく直してくれるのが不思議でならなかった。
何度やっても埒が明かないので、仕方なく接骨院へ行くことにする。
バスケットにバゲットの如く左腕を差し入れると少しだけ愉快な気分になった。
昨日まで私として動いていたものが今はまるで他人だ。この暑さのなか汗を掻くこともなくひんやりと押し黙っているのでだんだん心配になってくる。
接骨院に到着すると、私と同じように片腕や片足を抱えた人たちでごった返していた。
なんだ、私だけではなかったのか。
外れやすい気候だったのだろう。ほっとした反面、ちょっとだけ残念でもあった。
やはり力加減が足りなかっただけのようだ。麻酔を打つこともなく、医者がぐいっと押し込むと左腕はかちりと小気味のいい音を立てて私に帰ってきた。
念のために左肩に湿布を貼ってもらってから接骨院から帰る。
空になったバスケットが寂しかったので、スーパーに立ち寄りバゲットとセロリを買う。
また外れてしまわないように荷物は右腕で持つ。
左腕にばかり優しくすると今度は右腕が機嫌を損ねるのではないかと心配になり、両手首にお揃いのブレスレッドをプレゼントする。




