表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メモ×メモ  作者: 小池らいか
小説を書いていて気をつけたいこと
7/17

文章の難しさ パート3 一人称


 今回のお題は【一人称】について、です。

 傾向として。

 この「小説家になろう」さんでは非常に一人称で書かれた小説が多いです。

 語り口調で書けるから、読む側としても親しみを持って物語に入っていきやすい。

 キャラクターの心理状態にリアルさが出ますしね。

 そのあたりが人気の秘密なのか、ランキング上位もまさに一人称の嵐です。

 かくいう私も、お気に入り作品のほとんどが一人称で書かれた作品ばかり。

 三人称で書かれた作品を捜す方が難しいなんて、紙媒体なら絶対にあり得ない状態です。

 まあ、ネットだからこそ今の現状があるわけですが。

 作者側としては基本的に。

『自分が満足するために書いている』

 というような人が大半だろうし。(あ、違ったらごめんなさい)

 それなら書きやすいものを書こうと思うのも道理かな。

 でも自分としては一人称より三人称の方が書きやすいので、一人称で書いた小説はないかもです。

 そもそもが、一人称で小説を書くことに対して魅力を感じていなかったんですよね。というより、一人称で書くということに辿り着かなかった……というのが正解?

 読む本の多くが三人称だったので、それが影響してるのかもしれません。

 うーん。一般文学とかでも一人称視点の小説はあるんですけどね。

 それはまた別として。

『小説は三人称が当たり前』

 というのが私の中で固定されてしまっているのかも。

 このあたりは、私自身にもわからない不思議だったりします。


 それはさておき。

 これまで読んできた一人称小説を踏まえて、自分が書くなら「ここに気をつけたい」ことを挙げてみますね。

 最初はやっぱり『主人公の語り口調』。

 主人公の性格が投影される、物語の核となる部分であるのは言うまでもありません。

 しかも合わせて世界観の説明も主人公が行わなくてはならないわけで。

 しっかりとキャラクターを作っておかないと、説明時に『お前キャラ違ってるじゃん』という突っ込みが入っちゃうかもしれない怖さがあります。

 三人称でも同じですが、説明はどうしても単調になってしまいがちです。

 ただ、一人称だと語尾が喋り口調になるのでその単調さを和らげることが出来ます。

 そこをどう使うか、が読みやすさのポイントになるかな。


 次に『書き方』。

 実はこれが一番重要かもしれません。

 一人称だと主人公の内面を、三人称の時よりも明確に表すことができます。

 乱暴だったり、丁寧だったり、ふざけたり。

 【自分】を表す言葉も男女で違いますし、呼び方次第で性格もある程度決まります。

 それを個性として、前面に押し出せる形に整える作業が必要なわけですが。

 実のところ、一人称は非常に危うい面を持っています。

 その人物のむき出しの感情をそのまま文章にして表せるので、一般的に口にしないような言葉も書けてしまうんですね。

 そうした言葉や言葉遣いは場合によって、読者側を不快にさせてしまうことがあります。

 特に直接的な表現は読んだ瞬間に「う、これは……」と目をそらしたくなったりします。

 例を挙げるなら性的表現とか、過度な流血沙汰表現でしょうか。

 そこで読むのを止めてしまうことにも繋がるので、どうしてもそういったことが必要だと思ったときは間接的、遠回しにするのがベスト。

 どうしても必要な時は、事前に一筆書いたほうがいいかも。

 万人向けにするなら、の注意書きではありますが。

 このあたりは好みにもよりますね。


 三つ目は『読者へ向かって話しかける手法』。

 ご存じかもしれませんが。


『このあたりは読者の皆様の想像にお任せします』


 こういうのです。

 今のは女性的に丁寧な物言いにしましたけども、これが男性的なものになったらどうでしょう。


『このあたりは読者の想像に任せよう』


 なんとなく偉そうに聞こえます。

 二つの例は無難にまとめたものですけど、実際には前後の文章との兼ね合いもあって、これよりも過激な物言いの文章にもなり得ます。

 物によっては面白く展開することも可能とは思うんですが、出来るだけ避けたい手法です。

 一人称小説はある意味『主人公(語り手)が支配する世界』ですし。

 その主人公による物語の外(読者)への呼びかけは『主人公が読者を支配している』ようにも見えてしまいます。

 つまり語り手である主人公が読者を『登場人物の一人』として捉えている、というわけで。

 うーん。偉そうに見えて当たり前かも。


 そして四つ目は『語尾』。

 女主人公だとそうでもないんですけど、男主人公にするとどうしても語尾が「~だ」~である」「~した」「~ない」など断言する形が多くなってしまいがちです。

 でも、これだとなんだか単調で堅苦しい。

 しかも三つ目に挙げた『読者へ話しかける手法』と合わせると、読者に喧嘩を売っているようにも見えてしまいます(汗)

 せっかく一人称で好きに話し言葉を選べるわけですから、親しみやすく読みやすい文章にしたいですね。


 と、一人称についての注意書きはこんな感じでしょうか。

 簡単に書けそうだけれど『人に見せる物を』という前提に考えると、一人称もけっこう難しいですね。

 気が向いたら、ちょっと挑戦してみようと思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ