名称についてのうんちく
一通り小説を書くときに気を付けたいことは書いたので、ここからは色々な小説を読んでいて思ったことをあれこれと綴ろうかと思います。
主にファンタジー作品についてですけれど。
私も主にファンタジーなものを書いている人間ですので、色々と突っ込まれそうな部分がたくさんあるのですが。
現在「小説家になろう」でのランキング上位の作品の多くに「冒険者ギルド」なるものが出てきます。
いわゆるゲームの中では定番なアレです。
そして主人公はやっぱり「冒険者」。
コレ、便利だし使いやすい設定ではあるのですよ。
私もこの設定好きです。まだ公に使ったことはないですけど。
でも、最近そういった作品を多く読んでいると思うことがあります。
あまりにも安易に「冒険者」という言葉を使いすぎているのではないか、と。
他にしっくりくるものがないからなのかもしれませんけれど「なんだかちょっと違うなあ」と思うようになってきました。
世界観によっては「これ、冒険者ギルドでなくてもいいんじゃね?」という疑問に苛まれたりします。
だって、「冒険者」って要は一定の住処を持たない「無職な旅人」でもあるわけですよ。
で、ゲームで言う「ギルド」って要するに「職業斡旋所」。現代風に言うならいわゆる「職安」みたいなもの。「仲介屋」ですね。
だったら、「冒険者」なんて言葉を使わなくてもファンタジー小説は書けるじゃん。
って、これは私個人の解釈なのでアレなんですが。
うーん。こういう認識だからなんでしょうか。
ゲーム世界が舞台でもないのに「冒険者ギルド」って書いてあると読む前から構えてしまうんですよね。
これって本当に「冒険者ギルド」って名称でいいの? という具合に。
あ、別に「冒険者ギルド」自体を否定しているわけではありません。
そのシステム自体は流用に値するものだと思っています。
ただ……最近はどこに行っても名称が「冒険者ギルド」なので、命名が安易なのではないかと感じているわけです。
せめて「冒険者組合」とかちょっとだけでもひねって欲しいのが本音。
それにしても「冒険者」の方は単に「旅人」だと格好がつかないから使ってる人が多いのかしら。
個人的には「旅人」も格好いいと思うのですけども、はてさて。
結局何が言いたかったか、というと。
安易に既存の名称を使用せずに世界観に合うような「言葉」を使って「文明」を表すとよいのでは。
ってことです。
あ、こだわりすぎて自分だけにしか通用しないようなのはもちろんダメですよ。
誰が読んでもそれを想像できる言葉でないと。
それでも既存の名称がしっくり当てはまる場合はそれを使うのが一番ですけどね。