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家族ゲーム 番外編  作者: 祐月
2010 クリスマス話
2/9

A Day Before Christmas Eve 2

連続投稿です。

 そんな祝日の夜、季節外れの嵐は現れた。



「メリークリスマース!」

 夕食も終わり、全員がソファに座りくつろいでいるリビングの扉が勢いよく開いた。



「「「「「「「奈緒さん(なおちゃん)!!!!」」」」」」」



「まだクリスマスには早い!」

 いくつもの驚きの声が重なり、最後に一人、翼がツッコミを入れる。

 奈緒は子供達の驚きをものともせず、一番端に座っている翼に抱きついた。そしてそのまま隣に移動し、玲、慎の順に抱きつく。


「奈緒さん酒臭い!」

 翼の叫びに同調するように、玲と慎がそれぞれ顔をしかめる。

 一番自分に似ている息子の声など気にせず、奈緒は次のターゲットへと移動する。


「悠さ〜ん、希もメリークリスマース。」

 微妙に舌の回らない様子でぐずぐずと悠とその膝に乗っている希に抱きつく。

「奈緒さん、どうなさったんですか?

 いらっしゃるのは明日だと昼間届いた荷物に入っていた手紙にはありましたが。」

 2人分の体重を受け止めながら、悠はにこやかに微笑んだまま義母に尋ねる。


「悠さんは本当に豊さんにそっくりよね。

 玲も慎もそっくりだし、ホントあの人のDNAって・・・

 私の方は翼と希にしか受け継がれないなんてっ」


 酔っぱらいの思考は読めず、ぐずぐずと悠に抱きついたまま、よく分からないことを嘆く奈緒を引きはがすのを諦めた悠は、とまどう希も含め2人の重みを受け止めながら、この状態ではもうすぐ現れるであろうもう1人を思い浮かべる。


「父さんと何かありましたね?」

 静かに告げられた言葉に、奈緒は顔を上げると口をとがらせる。その表情は自分より大きく育った息子がいるとは思えないほど若々しく、いつも通りだった。

「悠さんも豊さんと同じ、何でもわかってしまっておもしろくないわ。」

 やはり酔っぱらいらしく、よく分からないことをつぶやくと、これまでクダを巻いていたのが嘘のようにしっかりとした足取りで「今夜は泊まる」と言ってリビングを後にする。

 ポカンとしているのは希だけで、残りのものは深いため息を一つだけついた。



 そんな中、沈黙を破るようにチャイムが鳴った。

 誰が鳴らしたのか予想のついている男達の中から、悠が立ち上がりリビングを後にする。


 希が状況をつかめず、きょろきょろと皆の顔を見回していると、出て行った悠が豊を連れ戻ってきた。


「ジジ!」

 渉が呼びかけるが、すぐに周りの重苦しい空気に口をつぐむ。

 悠の目配せをうけて、潤が渉にもう寝る時間だからと促す。

 不穏な空気を感じたのか、渉は「おやすみ」とだけ言って、潤に抱えられ部屋を後にした。


 渉に手を振って応えた豊が、ソファの空いているところに座ろうとすると、それに悠が冷たい目線を向ける。

 その視線のあまりの強さにソファ前のラグに思わず正座をした父親に、子供達は冷たい視線を向ける。


「父さん、今度は何をしたんですか?」

 高圧的に事の次第を問いただす息子達と、それに押される父親の親子の会話は夜遅くまで続いた。


事件勃発。

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