表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/35

第15話 カレーはチリペッパーで辛さを調節

よろしくお願い致します

 今日からカレーとチーズケーキを提供していく。


 日替わりランチとカレーの仕込みとシフォンケーキとチーズケーキの仕込みで開店前にやることが増えた。


 でも、メニューが増えたことでお客様が喜んでくれるなら、嬉しい。


「そろそろ開店時間ですね。私、openにしていきますね」


 開店はいつも十一時頃にしていた。


「ありがとう。私の方も準備できてるわ」


 openと同時に魔法でコロン様がやってきた。


「今日も来たら! シフォンケーキをお願いするら〜」


「はい。いつもありがとうございます。ご用意しますので少しお待ちくださいね」


 毎日買いにくるコロン様のシフォンケーキは別で用意してあった。


「座って待たせてもらうら〜」


 いつものようにコロン様はカウンターのところに座って待っていた。


「コロン様、今日から新しいメニューを始めたんですよ」


 シサが早速コロン様に宣伝をしていた。


「新しいメニュー? どんなら?」


「カレーというものとチーズケーキというものです」


「カレーは聞いたことないら。チーズケーキはチーズのケーキら?」


「カレーはスパイスの効いたシチューのようなものです。チーズケーキはおっしゃる通りですけど、濃厚な感じのケーキですね」


 私が昨日説明したようにシサも説明をしてくれていた。


「スパイスの効いたシチュー…気になるら。食べていくら」


「はい! ありがとうございます。カレーですね。少々お待ちください」


 さすがシサ! 宣伝が上手だ。


 私は準備できたシフォンケーキをコロン様に渡した。


「ありがとら」


「こちらこそ、いつもありがとうございます。カレーは今準備しますので少々お待ちくださいね」


 カレーを温めて、ライスを盛り付けてチリペッパーと一緒にシサに運んでもらう。


「お待たせしました。カレーです。どうぞ。ライスにかけて食べてください。それから、この調味料はお好みでカレーにかけてくださいね」


「おぉ〜早いら! すぐ出てきたら。調味料? これはかけるとどうなるら?」


「かけると辛くなるんです。最初に食べてみてから、かけるかどうか決めてくださいね」


 シサがチリペッパーの使い方を説明する。


 コロン様はチリペッパーにすごく興味があるようで手に持ってあらゆる角度から眺めていた。


 コロン様は辛い物好きなのか、それともあまり辛いものは得意でないのか。


 私はコロン様がどうされるのか気になった。


「とりあえず、このままいただいてみるら」


 ライスにカレーをかけて口に運ぶ。


ぱくっ


もぐもぐもぐ


「〜美味しいら!!! コロン、このままでもいいら」


 どうやらコロン様はあまり辛いものが好きではなかったようだ。


「お口にあってよかったです。じゃあチリペッパーは下げますね」


 テーブル席ではできないが、カウンターなら目の前なので、使わないなら下げさせてもらう。


「待つら! やっぱりちょっとかけてみるら」


「そうですか。わかりました。どうぞ」


 私からチリペッパーを受け取ったコロン様は勢いよくカレーに振りかけた。


「あっ! かけ過ぎ」


 思わず言ってしまった。


 カレーはチリペッパーで真っ赤になっていた。


「かけ過ぎら? 本当にそうか食べてみるら」


ぱくっ


もぐもぐもぐ


「%$#%&!! 水〜水をくれら!!」


 涙目になりながらコロン様は叫んだ。


「やっぱり…」


「はいはい。水です〜」


 シサがコロン様に水を渡すと一気に飲まれた。


「足りない!! もう一杯!」


「はいはい〜」


 シサがコロン様に水を渡すと、また一気飲みされていた。


 チリペッパーの辛さは水を飲んでも消えないのだ。


「コロン様、ちょっとチーズケーキ召し上がりませんか?」


「チーズケーキ? 食べてみるら」


 チリペッパーの辛さをとるのに乳製品は効果がある。


「はい、どうぞ。昨日の残りで申し訳ないですけど」


 昨日作ったものが一切れ残っていた。


 ベイクドチーズケーキなので今日食べてもまだ大丈夫だった。


 売り物にはできないが、サービスであげるならいいだろう。


「ありがとら」


ぱくっ


もぐもぐ


「口の中の辛いのが治ったら〜」


「よかったです。カレーも交換しますね」


 コロン様の真っ赤になったカレーを下げて、新しいものをシサに運んでもらう。


「ありがとら」


 昨日もそうだったけど、チリペッパーは出過ぎてしまうから、容器を入れ替えた方がいいだろう。


 今度雑貨屋の納品がある時にもっといい容器があるか聞いてみよう。


 入れ替えるまで辛くしてほしい方は、こちらが聞いて振りかけてあげよう。


「エル殿、さっきもらったチーズケーキ、濃厚なのに口がさっぱりするら」


 新しいカレーが来ても、まだチーズケーキを食べていた。


「レモンが入っているのでそうかもしれませんね」


「うまいら」


「コロン様、主食交代しちゃったりしますか?」


 シサが聞く。


 これは私も気になるところだった。


「コロンの主食は変わらないら。これは主食にはしないら」


「そうですか。何が違うんですか?」


「これはお腹に溜まるら。沢山食べれないら。主食は沢山食べたいら」


 確かにシフォンケーキはふわふわでお腹に溜まりにくい感じがする。


 チーズケーキは濃厚だから少しで満足できてしまうかも。


「もうさっきのはかけないで食べるら」


「そうですね、その方がいいですね」


 私も同意した。さっきの二の舞にはもうなりたくないだろう。




「こんにちは、お邪魔するよ」


「「いらっしゃいませ」」


 入り口を見ると、クード様が来店されたようだ。


 まだ開店したばかりでお客様が少ないが、クード様の来店で店の中が一気に華やかになった。


「ちょうどコロン様がみえてますよ。カウンターにどうぞ」


「ありがとう」


 シサに案内されてクード様がコロン様の隣に座る。


「コロン、来てたんだ」


「あっ、クード。コロンはシフォンケーキ買いに来たら」


「ああ、いつもの主食ね。毎日毎日よく飽きないな」


「コロン、飽きないら。何個でも食べれるら」


「僕はまだシフォンケーキを食べたことがないんだよね。だからコロンが毎日食べてるシフォンケーキがどんなものか食べにきたんだ」


「それはありがとうございます。デザートセットだけのご注文でよかったですか?」


 シサは他のお客様の対応中だったので、私が対応した。


「うん。……そういえば、コロンは何を食べているんだ?」


 コロン様のカレーが気になっていたようだ。


 話している間はコロン様の食べる手が止まっていた。


「コロンはカレーを食べてるら」


「カレー?」


「スパイスの効いたシチューのようなものです」


「なかなかうまいら。クードもどうら?」


「へ〜。じゃあ僕ももらおうかな」


「シフォンケーキはどうされますか?」


「食べ終わってからいただきます。もし食べれなかったら、持ち帰ります」


「わかりました。カレーをご用意しますね」


 カレーを温めて、ライスを盛り付ける。


「オーナー、こっちにもカレーを二人分お願いします」


「わかったわ」


 カレーは好評のようで、今日は日替わりランチの注文がまだなかった。


「クード様、お待たせしました。カレーです」


 手が空いたシサに運んでもらった。


「ありがとう」


「あ、あの調味料がないら」


「調味料?」


「あぁ、チリペッパーですね。容器のせいでかけ過ぎてしまうので、こちらがかけることにしようと思っています。クード様、食べてみてもう少し辛い方がお好みでしたら教えてください」


 チリペッパーを見せて説明した。


「これ辛いんだ……。僕、食べられるかな……」


「クード、辛いの苦手ら?」


「そうだね」


「じゃあライスにちょっとだけカレーをかけて召し上がってみてください」


 辛いものが苦手ならライスを多くして食べてみる方が良いだろう。


 私はクード様に説明した。


「やってみるよ」


 ほんの少しカレーをライスにかけて口に運ぶ。


ぱくっ


もぐもぐもぐ


「…美味しい。思ったより辛くないから食べれるよ」


「かけるカレーを少なくしたのがよかったかもしれませんね」


「これならもう少しカレーを多くかけて食べても良さそうだな」


「コロンはたっぷりかけてるら。うまいら!」


 コロン様はカレーを全てライスにかけてまさにカレーライスの状態で食べていた。


 クード様もおそるおそる量を増やしてライスにカレーをかけて口へ運ぶ。


「! さっきとほとんど変わらない。辛くない。食べれる。美味しい」


 その後、嬉しそうにどんどんカレーを食べられていた。


「美味しかった。シフォンケーキも食べれそうだからもらいたい」


「コロンもお願いするら」


 二人ともカレーを食べ終わり、シフォンケーキのデザートセットを注文された。


「ありがとうございます。少々お待ちくださいね」


 店は昼時のピークを迎えて満席に近かった。シサは注文を受けて何度もキッチンと客席を往復していた。


「お店、混んでるみたいだから急がないよ」


「コロンも急がないら」


 その様子をカウンターで見ていたお二人が気にしてくれた。


「すみません、なるべく早めにお出ししますね」


 今日はほとんどの注文がカレーだった。ちなみに日替わりランチはポークソテーだった。


 どんどん温めたカレーとライスを盛ってシサに運んでもらう。


 辛さの調整が必要な人は後から呼んでもらうことにしたが、呼ばれる人は少なかった。


 あまり辛くないものが好きな人が多いのね。


 これからも今の辛さでカレーを提供していこうと思った。



お読みいただきありがとうございました。もし作品を楽しんでいただけましたら、お気に入り登録や評価などいただけると大変励みになります。

是非よろしくお願い致します!!m(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ