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悪役令嬢達のお茶会

作者: 夜麗出ユウ
掲載日:2026/02/10

これは、自分を悪役令嬢と思っていない四大令嬢とも呼ばれる彼女達の、少し不思議なお茶会である。





「皆様!!父上達が会合している間に、私達もお茶会をしましょう!!」


「いいわね!!!私、メイドに持って来させたお菓子があるの!!」


今日は年に一度の四大会合日。

父上達は政治や国についてのことしかいつも喋らないから退屈だ。

物心ついた時からあるこの会合で、私たち四大令嬢とも呼ばれる4人は小さい時は父上達の何時間にも及ぶ会話中、皆で庭を駆け回っていた。

歳を重ねた今では庭でお茶会をしている。


「みなさん、一年ぶりです。今年から各々の学園に入学しましたけれど、どのような生活ですか?」


「私の入学した学園は個性豊かな方々でいつも楽しいですよ。

……ただ、貴族としてどうなのだろうか、という方もいますわ」

と、ジョナが答えてくれた。


「やはりそうなのですか?私の学園でもそのような方がいらして

……先日、あまりにも目に余る行動をしていたのでクラス全員で無視をしたのです。

そしたら効果抜群でおとなしくなりましたわ!!!

…少し普通すぎるかもしれませんけど…」


『え??』

______________________

いや、やばいわねミオン。確かに私は“貴族としてどうなのだろう”と言いましたけどね?

それにしても限度ない??

しかもなに??クラス全員で??普通すぎる??



……怖すぎるわこの子。昔から遊んでいた仲とはいえ流石に引くわ…

もう躾じゃないの。

クラス全員からいないもの扱いされる。これが普通ってのもおかしいけど…

でも、効くからこそ普通になる。

相手にしないから楽だし、尚且つダメージも入る。


………私それやられたら絶対立ち直れないわ。


「そういえばジョナ。貴方こそそのような経験はないの?」

急に話を振ってきたわね………

…何かいい話は……

「いえ、ないですわね…私がやる前に他の方が何科対応してくださるしね。

……あぁ。でも私、ある男性が嫌味なのかダンスパーティーの時に私のドレスをボロボロにされてしまって……後日階段を登っているところに声をかけたの。余所見をしてしまって転んでしまっていたけれど」


『はい??』


「あら、どうしたの皆様。そんなすっとんきょうな声あげて。私は悪くないわよ?

ただすこし注意しようと声をかけただけだもの」

___________________________

「そ、そうですね…!今度そのようなことがあったらやらせてもらいますわ…!」


口ではそう言ってしまうけれどやらないですわよ。ミオンと言いジョナと言いどうしてしまったの!?!

学校に入る前は和気藹々とお父様やお母様の自慢ばかりしてたじゃない!!

それに私やノーレンのことだって褒めてくれてたじゃない!


というかかなり巧妙ですわね……確かにそのやり方なら教師に何か言われた時に怒られたりしないわ。だってあくまで“声をかけただけ”

押したり、故意に大声を出したわけではない。……本当に怖い。



「そういえば、ルーンは長期休み以外は寮生活なのでしょう?そのようなトラブル、一つ二つないのかしら?」

いやありますよ。あるけれどそこまではしないわ。


「いえ、逆に寮生活だと皆気を使わないし楽ですよ。一々気を遣ったら自分が壊れてしまうもの」

_____________________________

(壊れるまで気をつかうって………普通に怖くない??)

と、皆思ったが口は出さないのだった

__________________________

「ただ………そうですね。よく私の悪い噂を流してくる先輩がいて………

サウナに倒れるまで閉じ込めたことはありましたわね」



『ふぇ?』


「おや……私が持ってきたクッキーまずかったかしら?大丈夫?

そんな間抜けな声出して……」



「い、いえ!クッキーはとても美味しいわ!私の紅茶にピッタリ!」

_________________________

うん。クッキーは美味しい。ミオンの紅茶によく合う。



だが、





な ぜ 全 員 ま と も じゃ な い ? ?



いや1人くらい突っ込もうよ!1人がやばいこと話している時引いてるのは見えてるよ!



……おっと口調が悪くなってしまったわね。思考も完璧でなくては。


……自分は普通だとでも思っているのかしら??バカなんじゃないの??

さっきから黙って聞いているけれど、全員ダメよ。狂っている


しかもルーンに関しては物理じゃない。普通に殺人になってしまうわよ。下手したら事件になりかねないわよ?

いや精神的に追い詰めるのも間接的に追い詰めるのも普通に良くないのだけれどね?




「あ、そういえばノーレン。皆の手紙でやりとりしていたいじめられっ子。あの後どうなったのかしら?」

……あ、そんな人もいたわね……

私は1人、訳もなくいじめられている子と仲良くしていた。私以外に仲良くしてくれそうな子もいなかった慈悲もあるかもしれない。それを手紙で言っていたことをすっかり忘れていた。


「あぁ、その子ね。私の婚約者と手握ってたから絶好したわ」



『………????』



「偶然見つけてしまったの。あの子、“ノーレンしか仲良くしてくれる人いない”とかほざいていたのに私の婚約者を奪おうとしていたから、絶好したわ。あとは知らない。今思えばそういう悪質だったところがあっていじめられていたのかもね」


___________________________

どうしたものかしら。私以外皆んな狂ってるじゃない。

私がまともじゃなければどうなってたの????



「おーい!!ミオン!時間だから帰るぞー!!」

父上ナイスタイミング!!


「分かりました!!!すぐに片付けさせます!!」




今回のお茶会で分かったこと。


…いや、分かってしまったこと。



「皆さん、来年は自分が一番美味しいと思うお茶とお菓子を持ってきて皆んなに勧めましょう。毎年同じお茶で飽きてしまっただろうし」

_____________________

“この3人と学園の話をするべきではない”

_____________________

『賛成ですわ』




________________________

かくして、今年の四大会合は終わりを告げた。

4人の令嬢達は、新しい真実に気づき、馬車に乗ったのだった。



皆様は分かっていると思うが一応言っておこう。

全員、人のことは言えない。

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