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木犀の音  作者: 佐依知(さいち)
9/10

意識してしまう 琴音視点


雨の日の出来事の後。

雨音ちゃんに話をしたら、

「黒木くん優しいね!多分そんだけ濡れてたら制服透けちゃってたんじゃない?ジャージ貸してくれてまでちゃんと隠そうとするなんて…さすが…!」


と言われました。

そう言われて初めて、私はジャージを貸してくれた意味を知ったのです。

冷えないようにだとばかり思っていたから。


そう考えると、どぎまぎしていた様子も、いつもなら目を見て話してくれるのに、そっぽ向いていた理由も、全部辻褄が合いました。





私のより大きな"黒木宗二郎"と刺繍されたジャージ。

じろちゃんの匂いがするタオル。

"好きだよ"と伝えてくれる真っ直ぐな気持ち。




あの日から急に、私はじろちゃんを意識してしまうようになりました。

顔を見るとほっとして、"好きだよ"と言われると嬉しくて…。胸が苦しい。


この気持ちに、覚えがある。

だけど…どうやって伝えたらいいんだろう。


とりあえず、一緒に帰ろうと誘って帰る機会を増やしました。

だけど…意気地なしな私は、なかなかじろちゃんに伝えられなくて。


この前は、廊下でたまたまじろちゃんが笹山先生とじゃれているところに出くわして、

英語の御門先生と笹山先生がはなしはじめてから急に私の手を取ってその場を離れたから驚いて。


久しぶりに繋いだ手は、私が知っているじろちゃんの手よりずっと大きくて、改めてじろちゃんが男の子なんだと実感してしまいました。


その後左吉くんから声をかけられて離れてしまった手が寂しくて。


あ、私もうじろちゃんのことが男の子として好きなんだ、と改めて自覚しました。



その後、左吉くんから

「尾浜さんって分かりやすくて可愛いね」

と言われて恥ずかしくなりました。


なんのことだか分かってるのか、気づいていないのか、じろちゃんは速攻で左吉くんにデコピンを食らわしていて…。

ごめんね、左吉くん…。


うまく自分の気持ちを伝えられないまま、夏休みになってしまいました。



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