玄幻：女尊修仙界の白い月の光の星落ち別れた愛恋！第三章
玄幻：女尊修仙界の白い月の光の星落ち別れた愛恋！
第三章
叶瑶、もしもいつか君が僕を愛さなくなったら、必ず僕と言ってください。僕は君の世界から離れ消えます。
彼は幽冥殿の杏の木の下へとやって来た。
魔界は常に草一本生えぬ荒れ地だが、この杏の木だけは、彼が杏の花を好むと知った叶瑶が、遥か昔に自らの手で植えたものだった。
今では枝葉が広がり、堂々とした姿になっていた。
その後、叶瑶は霊力を用いて多くの杏の花を咲かせ、魔界中を花で埋め尽くしたが、彼の心に残っているのは、やはりこの初めに彼女が自ら植えた一本の木だった。
彼は一目で杏の木に刻まれた文字を見つけた。
【阿笙は叶瑶のもの。】
林笙はその文字を何度も手で撫でながら、ふと幻のような感覚に囚われた。
まるで、心の中に自分しかいなかったあの頃の彼女の姿が、目の前に蘇るかのようだった。
そして彼は、叶瑶の気配を辿りながら手を振り、杏の木の下で一通の手紙を見つけた。
それは、叶瑶がこの杏の木を植えたときに、この木の下に埋めておいた手紙だった。
あの頃の彼女は、何やら神秘的な様子で、それがかえって彼の好奇心を煽り、彼は何度も我慢できずに尋ねた――「手紙には何て書いてあるの？」
しかし彼女はただ微笑んで、「三百年後の自分に宛てたものよ」とだけ答えた。
そして今、ちょうど三百年の月日が流れた。
鉄のスコップを投げ捨てた後、彼は杏の木の下にもたれ、静かに叶瑶が書いたその手紙を開いた。
勢いのある筆跡が、紙の上に鮮やかに浮かび上がった。
【叶瑶へ
お前は幼い頃から多くの命を奪い、誰の言葉も容易には信じないことを、私は知っている。
だが、この世でただ一人だけ、生涯かけて決して裏切ってはならない者がいる。
それは——お前の最愛、阿笙だ。
もし百年後、阿笙が幽冥殿の主となり、お前の夫となっているならば、お前は必ず以下のことを守らねばならぬ——
彼に三界一盛大な婚礼を捧げよ。お前がどれほど彼を愛しているか、三界すべてに知らしめるのだ。
彼に対して一途であれ。一生一世一双人(一生一人を愛する)の愛の誓いを守れ。魔宮には他の男を入れてはならぬし、お前の目にも、決して他の者を映してはならぬ。
毎晩彼を抱いて眠れ。阿笙は雷が怖いし、孤独も怖いのだ。
毎日、俗世の面白い話を集めて、彼を笑顔にせよ。絶対に悲しませてはならぬ！
彼を愛し続けよ。永遠に、変わらぬ愛で——
覚えておけ、たとえ一つでもこの約束を破ったなら、今これほど彼を愛している私に、顔向けできぬぞ。】
これは、ほとんど叶瑶が彼に宛てたラブレターのようなものだった。
林笙は手にした手紙の封を、震える手でしっかりと握りしめていた。
文字の隙間から溢れる隠しきれない愛情を見つめながら、いつの間にか涙がこぼれ落ちていた。
かつて、二人は本当にこんなにも深く愛し合っていたのだ。
なのに今は、どうして……
あの頃のように、彼だけを一途に愛し続けることができないのだろうか？
「彼女が言ったんだ。あなたがいなければ生きていけない、離れたら死んでしまうって。だからこそ、僕はすべてを捨てて、この見知らぬ世界に彼女のために留まったんだ。」
かつての山に誓い海に盟うような言葉、まっすぐで眩しい愛情——
今ではすべてが鋭い刃となって、林笙の心を容赦なく貫いていた。
林笙は、ふと強く思った。
あの李澈という男に会ってみたいと。
叶瑶をこんなふうに変えてしまった、その男に。
人間界、秋風寺。
林笙はひっそりとした場所に立ち、ひと目で祈願している叶瑶と李澈の姿を見つけた。
彼女の隣に立つ青年は、青い衣を身にまとい、風にそよぐように優雅な佇まい。
孤児とはいえ、一目見れば、まるで美男子の代名詞である潘安のようだと言っても過言ではなかった。
あれが……
李澈、なのか。
可哀そうだとか、孤独児だとか言っていたのは、結局はただの言い訳で、初めて会った時から容姿に惑わされていたにすぎなかったのだ。
林笙は微動だにせず見つめていた。叶瑶が彼の髪を撫で、指を絡め、時折視線を交わし笑い合う姿を。
ふいに、ふたりは寺の中から出てきた。手には一枚の赤い絹を持っていた。
彼らは古びた寺の外にある一本の木の前まで歩いて行った。
この木は、かつて仏祖によって加持されたと言われており、とても霊験あらたかだとされている。願いをこの木の下に埋めれば、必ず叶うという伝説もある。
だが、叶瑶はかつて神仏を信じたことなど一度もなかった。
かつてふたりで人間界を通りかかった際、無数の男女が神仏の前に跪いて祈っているのを見て、彼女はただ高みから冷たく笑っていた。
なのに今、李澈のために、彼女は仏に祈ったのか――？
林笙は、ふたりが願いを埋める様子をただ黙って見つめていた。
そしてふたりが立ち去った後、彼は静かにその木の前に歩み寄り、埋められた願いを掘り起こした。
【身の回りの人と、永遠に離れず、長く共に過ごしたい。】
紅い絹に書かれた文字は美しく、李澈が書いたものであることがすぐに分かる。そして、その下の一行の文字は、彼が骨の髄まで熟知しているものだった。
それは叶瑶の文字。
彼女は二文字だけを書いていた。
【同願。】
瞬間、林笙はその紅い絹を強く握りしめ、突然笑い出した。
その笑顔には、計り知れない苦しみと絶望が含まれていた。
彼は長い時間そのまま見つめていた後、しゃがみ込んで、彼女たちの願いを少しずつ元に戻して埋めた。
目がひどく痛かったが、どうしても涙が一滴も流れなかった。
叶瑶、叶瑶、以前は気づかなかった、あなたの演技がこんなに上手だなんて！
こんなに私を愛しながら、他の人と長く一緒にいたいと思っているなんて。
大丈夫。
もう少しだけ待てばいい。
もう少し待てば、あなたはもう演技しなくて済む。
