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玄幻:女尊修仙界の白い月の光の星落ち別れた愛恋!第十一章

玄幻:女尊修仙界の白い月の光の星落ち別れた愛恋!


第十一章


叶瑶、もしもいつか君が僕を愛さなくなったら、必ず僕と言ってください。僕は君の世界から離れ消えます。


叶瑶はその束になった手紙を握りしめ、指先が真っ白になるほど力を込めていた。

震える手で次々と文字をめくっていくうちに、頭が沸き立つようにズキズキと痛み出す。


李澈のことなど、ただの遊びに過ぎないと思っていた。

まさか、彼が林笙に挑発などという真似をする度胸があるとは思ってもみなかった。


彼女の顔は恐ろしいほどに陰り、同時に、言葉では表せぬほどの後悔が込み上げてきた――


林笙は「一生一世一双人(一生一人を愛する)」という信念を持っていた。

彼の心には、一粒の砂さえも許されなかったのだ。


どうやら、彼はずっと前からこのことに気づいていたらしい。


叶瑶は林笙の行動が不自然だったいくつかの瞬間を思い返し、歯を食いしばってギリギリと音を立てた。

彼女が最も嫌うのは、少しばかりの寵愛を勘違いし、調子に乗る男たちだ。


だが今、李澈をどう処分するかよりも、最優先すべきは林笙を見つけることだった。


今の状況から見て、最もあり得るのは――彼が家出したということ。


叶瑶はすでに林笙への謝罪の言葉を考えていた。

彼は優しい人だ。

真剣に謝って、もう二度としないと誓えば、きっと許してくれるはずだ。


たとえ跪いて謝ることになっても、構わない。


だが、それも彼を見つけることができてこそだ。


彼女は幽冥殿にいる全ての者たちをほぼ総動員して捜索に当たらせた。


ここで見つからなければ、人間界へ行き、妖界へ行き、仙界までも――

たとえこの世界をひっくり返すことになろうと、叶瑶は林笙を必ず見つけ出すつもりだった。


しかし、ほぼ全ての人手を尽くしても、彼女は失敗した。


林笙はまるで空気のようにこの世から消え去り、もう彼女の前に現れることを拒んでいるかのようだった。


生きた人間が、どうしてこんなにも完全に姿を消すことがあるのだろう?


叶瑶は疲れ果て、ふわりとした彼の香りが残る寝台に倒れ込んだ。

何日も眠れぬまま、目は真っ赤に充血していた。


目を閉じると、林笙のことばかり思い出す。

何百年も共に過ごし、心を通わせた彼――

それほど深く愛し合っていた彼が、今は躊躇なく自分のもとを離れてしまった。


その時、突然、宮殿の外から物音が聞こえた。


叶瑶はハッと身を起こす。


――林笙なの?


心臓が喉元から飛び出しそうなほど高鳴っていた。

だが、扉を開けて目に入ったのは、林笙ではなく李澈の顔だった。


「聖女さま、どうして最近は会いに来てくれないの?もう澈児のこと、お好きじゃないの?」


まだよくも顔を出せたものだ――あの手紙の束は間違いなく彼が林笙に送ったに違いない。

叶瑶の胸に怒りが燃え上がり、彼の細い腕を掴むと、そのまま宮の中へと引きずり込んだ。

そしてあの手紙の束を彼の顔に力いっぱい叩きつけた。


「どうしてこんなことをしたの!?」


李澈は一瞬呆然としたが、すぐに笑い出した。

その笑みは冷たく、恨みを含んだ目で叶瑶を見つめる。


「僕がそうしちゃいけない理由でもあるの?」


雪のようにひらひらと舞い落ちる手紙たち。

その一枚一枚が、二人の親密な関係を如実に物語っていた。


「聖女様、お忘れなく――最初に僕を誘ったのはあなたなんだ!」


「僕があなたを誘惑したんじゃない。僕は幼い頃から姉さんを慕っていた。だけど、あなたは僕の容姿に目をつけ、彼女を跡形もなく消してしまった。彼女があなたの部下だったから?だから、あなたのために死ぬのは当然だっていうの!?」


「彼女が死んだ後、僕も後を追うつもりだった。でも、あなたが僕を引き戻した。地獄の淵から引き戻したのは、あなただ!無理やり僕を奪って、しかも一度じゃない、二度、三度、四度……千回以上も!」


パァン、と鋭く乾いた音が響いた。

李澈はその一撃により顔を横に弾かれ、髪が彼の赤く腫れた頬を覆った。彼はしばらくの間、そのまま動かなかった。


「たとえ僕を殴り殺したところで、あなたが殿下を裏切った事実は消せないんだよ――僕の高貴なる聖女様!」


この言葉はまさに叶瑶の心を鋭く突き刺した。

彼女の呼吸は荒くなり、李澈を怒りの眼差しで睨みつける。

彼がさらに何かを口にするのが怖かった――なぜなら、彼の言っていることが、すべて正しいとわかっていたからだ。


林笙は、彼女の裏切りを知って去っていった。


李澈との甘く蕩けるような記憶が今はまるで刃物となり、鈍いナイフが腐った肉を無理やり削ぎ落とすように、彼女の中の貧しく怯えた本性をむき出しにした。

彼女は激しく手を振り払って、扉の外を指差し、怒鳴りつけた。


「出て行け!出て行けぇ!!」


李澈は「はっ」と鼻で笑った。

あの媚びたような可愛らしさはもうどこにもなかった。

乱れた髪に腫れ上がった頬、その姿はまるで捨てられた小さな男のようだった。


「聖女様、人買いは金を払うものですよ?あなた、こんなにも長く僕を抱いておいて、まさか無銭で済ますおつもりですか?」


叶瑶は怒りで胸が激しく上下し、頭がくらくらとした。


「クズが!私があなたを買ったからって、どうしたっていうのよ!!」


彼女は目の前の男をこの手で締め殺してしまいたいほどの衝動に駆られていた。

李澈もその殺意を一瞬で読み取ったのか、わずかに身を引いて顔を上げ、薄く笑って言った。


「聖女様、今さら取り戻したいとお思いなら、できることはただ一つ――私を遠くへ追いやることだけでしょう。でも……」


「あなたは、もうお腹に宿しているんですよ。私の聖女殿下」


その一言はまるで雷鳴のように、叶瑶の耳元で轟き渡った。


















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