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覆される都市伝説・【マカシリーズ28】  作者: 星群彩佳
出会ってはならない存在
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黒い髪に黒い瞳、メガネをかけていて、身長が高い。


真面目な雰囲気は、ハズミという青年の華やかな雰囲気とは全く正反対。


『あの、アイスティーをどうぞ』


グラスを2つ、トレーに載せて、わたしは二人に話しかけた。


二人は同時に振り向き、わたしを見て眼を丸くした。


「わっ! マカ、またこういうのに憑かれたの?」


「―お前がそれを言うか? 『携帯彼氏』よ」


「うぐっ…!」


ハズミは胸元をおさえ、その場にうずくまった。


代わりにマミヤがマカに問いかける。


「でもマカ、彼女は一体…」


「サイトで評判になっている小説の話、聞いたことないか?」


「…読んだ人間が不審な死に方をするってアレ?」


「それの作者兼管理者みたいだな」


「じゃあオレ達と同類か?」


マカの言葉でハズミは顔を上げて、マジマジとわたしを見る。


「しっかしオレの時といい、憑いてきたモノを使うとは、さすがマカ」


「コイツ、死霊だから冷たくてちょうど良いんだ。メイド達が戻るまで、コイツに面倒を見てもらう」


『ええっ!?』


いつの間に決まったの?


「でも流石に買い物とかはムリだろう? 俺達でそっちは何とかするよ」


「すまんな、マミヤ。だが買い物も昨日、メイド達がしこたま買い込んできたんだ。困ることは特にない…ことも、ないか」


ふとマカの視線がわたしに向かう。


『えっ?』


「マミヤ、ソウマに言って、コイツの着れる服を用意してくれ」


『ええっ?』


わたし…着替えること、できるの?


「了解。明日から少しずつ持ってくるよ」


「ヒマな時で良いからな。今、ソウマは店を留守にしているんだろう?」


「あ~。ソウマさん、今は買い付けに出ているからなぁ」


ハズミはトレーからコップを一つ持って、マカの隣のイスに座った。


「今年は特に、色んなことが起きすぎてパニックになってるって。表の世界と裏の世界、バランスが崩れてるって険しい顔で言ってた」


「…だろうな。一度境界線が崩れると、修復するまで時間がかかる」


「マカ達が何とかできないの?」


「そこまで万能ではない。そもそもこんなに大きな亀裂が入ったのは、長い歴史の中でも類を見ないほどだ。…しばらくはいろんな意味で落ち着かないだろうな」



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