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「だろうな。それならば、お前が私の元へ来た理由もうなずける」
「そっか…。……って、ちょっと待って。そもそも何でマカはわたしのサイトのことを知ったの? イジメをした人間しか見られないはずだけど…」
「それはホラ、無自覚のイジメって言うのが…」
「コウガ。いきなり口をはさんで訳のわからなことを言うな」
「あはは」
…一瞬、信じそうになった。
「私がお前のサイトを知ったのは、都市伝説としてインターネット上で話題になっていたからだ。誰かに教えられたとかではない」
それを聞いて、ちょっと安心。
確かにマカはイジメなんてしないタイプだけど、…その、恨みを買われるタイプではありそうだったから。
「ナナオ、貴様、疑っているだろう?」
マカが鋭い視線で睨んできたので、慌てて顔を背ける。
「うっううん! マカのこと、信じているから!」
「ったく…。私はお前の知っての通り、普通の人間じゃない。故に『紹介』という条件なしに、アクセスが可能だったんだろう」
「ああ、なるほど」
マカなら有りうると、素直に納得できる。
「あっ、でもそれならわたしが今まで殺してきた人達は今でも動いているってこと?」
「だろうな。今でもせっせと働いているだろうよ」
「でも…最終的にはシスター達によって、神とやらに作り替えられてしまうのね…」
「恐らくな。しかし神と言っても、何かを引き換えに、何かを叶えるモノ。お前らを喰らったモノと同じだろう」
「じゃあアレがあるのに、何で作ろうとしているの?」
そこでマカとコウガは、お互いの顔を見合わせた。
「…残念ながら、オレが調べられたのはここまでなんだ」
そう言ってコウガは両手を上げた。
「続きは多分、セツカの方が詳しいよ」
「セツカが?」
振り向くと、指名されたセツカは深く息を吐いた。
「コウガの集めた情報を元に、血族の方でも調べてみたよ。どうやらその主とやら、古代の神サマみたいだね。でも異国のモノで、元いた所からは追い出されて日本に来たみたい」
「そう言えば…シスターやあそこにいた人達、みんな外国の人だったわ。日本語はとても上手だったけど…」
「追い出された古代の腐った神と信仰者の団体か。厄介中の厄介だな」
マカは顔を思いっきりしかめながら言った。
…女子高校生がする表情ではない。
「くっ腐っているの?」
「恐らく最初はもうちっとまともな神だったろうよ。だが神も不死ではない。人の信仰心が失われていけば、その力も存在も薄れていくんだ」
マカは神妙な顔で、腕を組んだ。
「焦った信仰者共は、お前達みたいなのを利用して、今度は別の形に作り直そうとしたんだろうよ」




