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覆される都市伝説・【マカシリーズ28】  作者: 星群彩佳
隠された真実・暴かれし都市伝説の裏
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真実の都市伝説

ナナオが通っていた施設は、邪教を信仰する所だった。


そこの大人達は、傷ついた子供達に甘い言葉をかけ、取り引きを持ちかける。


それは自分を傷つけた者に対する、復讐。


復讐の対価は、自らの肉体。


崖から飛び降り、異形のモノに喰われることで、その願いは成就する。


―そこまでは、子供達にとっては共通点。


だが、シスター達はそんなに甘い存在ではなかった。


コレから語るはナナオのこと。


ナナオの肉体は主に捧げられ、その魂はシスターの手に堕ちてしまった。


生前、ナナオは自らの体験を、シスターの勧めで書き残していた。


それを元にして、出来たのが例のサイトだった。


しかし利用者は、ナナオが思っていたのとは全く違う。


ハズミが告げた通りだった。


サイトにアクセスできるのは、誰かを、そして何かをイジメていた人間。


そしてイジメた人間がそのサイトを知るのは、イジメていたモノからの勧めからだ。


そうしてナナオはイジメをしている人間の元へ行き、死に追い詰める。


このことはインターネットや口コミで広がる。


被害者を調べていけば、分かりそうな共通点だった。


「…しかし近年では、イジメの境界線があやふやになっているらしい。イジメをしている人が自覚がない状態が増えているらしいんだ」


本人はからかっている、あるいはいじっているだけに過ぎないと、本気で思っている。


だがイジメを受けた人間は、そう簡単には思えない。


「恐らく、話せば和解した人達もいるだろう。けれどイジメられた人間の恨みの念は、強く燃え上がる。それはキミも知っていることだろう?」


「…そう、ね」


確かにそれは、身をもって知っていた。


「キミは一部の人達にとっては、ある意味、ヒーローと言われているんだ」


「……皮肉な呼び方ね」


「うん、それには同感。それにさ、イジメている人間をサイトに導いた人も、無事では済まされない」


「えっ…。終わらないの?」


「キミの役目は終わっているだろう。けれどその続きは、殺された人間が引き継いでいるんだよ」


そう言って、コウガは皮肉な笑みを浮かべた。


そこで一つの可能性が思い浮かぶ。


「まさかっ…殺された人が、わたしと同じようになっているの?」


「正解。頭良いんだね」


「あっああっ…!」


わたしは再び頭を抱えた。


…そうか。


わたしのしてきたことは、わたしと同じ存在を作り出す作業の一つだったんだ。


「ナナオの察する通り、殺された人間の魂は、キミがいた場所に吸収される。そしてまず、自分を殺す為に導いた人間を殺すんだ。そうすることで、キミと同じ存在に成る」



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