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覆される都市伝説・【マカシリーズ28】  作者: 星群彩佳
隠された真実・暴かれし都市伝説の裏
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いつもの暗い空間の中に戻ってきても、マカと過ごした日々を思い出していた。


しばらく留守にしていたせいか、アクセスしてくる人はいなかった。


でも今は…それがありがたい。


また昔と同じことをやれるのかと言えば、正直、自信がなかったからだ。


「ダメだなぁ。わたし…」


マカの前で、バカバカしいことを誇らしげに語ったのに…。


それをやり遂げる心の強さは無いのだろうか?


「ふう…」


誰も何も無い空間で、膝を抱える。


 バチッ


「えっ?」


暗い空間に、白い火花が散った。


 バチバチっバチィッ!


「きゃあっ!」


白い閃光は徐々に大きくなり、音も大きくなった。


「あっ、ゴメンゴメン。驚かせた?」


その白い閃光から、何とハズミが現れた!


「えっ…ええっ!?」


「迎えに来たよ、ナナオ。キミはこんな所にいちゃいけない」


人なつっこい笑みを浮かべ、ハズミはわたしに手を差し伸べる。


「マカが待っている。帰ろう?」


「マカ…が?」


「うん。ナナオを本当の意味で開放する為に、このサイトのことを詳しく調べていたんだ。だから今まで時間がかかった」


ふとハズミは険しい表情で、周囲を見回す。


「こんな所に女の子一人を閉じ込めるなんて、ヒドイやり方だ」


「えっ…? どっどういう意味?」


「あまり時間がないから、短く説明するね。―ナナオ、キミは操られているんだ」


「操られて…?」


それはマカにも聞かれた。


誰かの、何かの差し金かと…。


「ちっ違うわ! わたしはわたしの意思で…」


「じゃあ聞くけど、キミは生前、何か特別な能力を持っていた?」


「それは…ないけど」


「そうだね。キミは普通の人間だった」


ハズミは分かっているように、頷く。


「だからこそおかしいと思わないか? キミが死んだのは、そもそも近年じゃない。生前のキミは、今のやり方で人を殺そうだなんて思っていたのか?」


「そっそれは…」


わたしはわたしをイジメた人間達を殺したかった。


それにウソはない。


けれど他の何の関係もない人を、不幸にして苦しめて殺したかったワケじゃない。


「それにナナオ、キミは自分が取り付いて殺した人間がどういう人間だったのか、知っていた?」


「えっ?」


ハズミの言いたいことが分からない。


「どういうって…ただ単に、わたしのサイトにアクセスして、小説を読んだ読者の一人…」


「じゃない。そうじゃないんだ」


ハズミは苦しそうに、首を横に振った。


「キミが殺してきたのは、イジメをしていた人間なんだ。つまり…キミが憎しみの対象としていた人だね」



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