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「お前が危険な目に合った時に、助ける存在があった方が良いだろう」


「ありがとう。ってことで、OKだよ」


「コウガ、お前…。すっかりシキの扱いが上手くなったな」


「そりゃあずっと一緒にいれば、ね。それに一応、オレはシキの非常食だから」


「…そうか。まあなら今後とも、頼む」


「分かった。じゃあまたね」


「ああ」


通信を切った後、コウガはため息をついた。


「逃亡者のオレ達に頼るなんて…。マカは思った以上に敵が多いみたいだね」


「だからと言って、お前が何故引き受ける?」


「それは面白そうだから。それにキミと関わってしまった以上、こういう世界からは抜け出せないだろう。だったら受け入れてしまった方が、何かと良いかと思って」


コウガはヘラヘラしながら言うが、シキの表情は硬い。


「お前が思っている以上に、闇の世界は深いぞ?」


「ん~。でもオレも普通の人間以上に狂気を持つ者だからねぇ。今更普通の世界に戻ろうなんて思わないよ」


コウガはパソコンの電源を落とし、立ち上がった。


「さっ、もう休もう。追っ手が来ない就寝を体験しようよ」


「はぁ…。ったく、厄介なヤツだな。お前は」


「キミほどではないと思うよ?」


コウガは虚ろな眼で、シキを見つめた。


「俺は元からこうだ。途中で変わったのはお前の方だろう?」


「変わってしまったのは、キミと出会ったからだって、何度言えば覚えるのさ」


「…言ってろ」


不貞腐れたシキは、コウガの手を掴んで寝室へ向かう。


「…ホント、素直じゃないんだから」


コウガは呟きながらも、その笑みはあたたかいものだった。



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