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マカの言葉に、コウガは頷いた。


「ただそれで彼女の記憶がないってところが怪しい…というか、怖いね。彼女、恐らくそのことに関しての記憶を消されているんじゃないかな?」


「多分な。今のシステムが完成した時にでも、記憶は消されているだろう。何せ肉体を無くした魂だけの存在だ。下手な人間よりも操作は簡単だろうさ」


あっさりと同意したマカは、首を縦に振った。


「問題は何が目的でナナオを動かしているか、だ。都市伝説を広めて、ナナオを活躍させて、そこに生まれるのは恐怖のみ。製作者はその恐怖を一体何に利用しようとしているのかが、分からないところが気持ち悪い」


「う~ん…。とりあえず、情報収集を続けてみるよ。そこでもしかしたら本当の製作者の情報を掴めるかもしれないし」


「ああ。あっ、それと言い忘れていたがな」


「うん」


「期間は6日以内に頼む」


突然の言葉に、コウガはキョトンと眼を丸くした。


「6日もあれば大体の情報は集まるけれど…。でもどうして?」


「メイド達が戻って来るのが6日後。それまでにナナオに選択の結果を出すように言ったからだ」


「なるほど。でも集めた情報によっては、彼女に与えた選択を変える?」


意地が悪い笑みを浮かべるコウガだが、マカは無表情を崩さない。


「いや。私が知った情報が真実であろうが偽物であろうが、どうだって良い。問題はナナオ自身に決めさせることだからな」


マカの答えを聞いて、コウガは苦笑を浮かべた。


「実にキミらしい答えだよ。けれどオレの集めた情報には偽物なんてないから」


「ああ、そうだろうな。お前の情報に関しての働きには、素直に舌を巻く」


かつてシキが離属した後、彼を守っていたのは人間であるコウガだった。


コウガは情報に関してのエキスパートで、マカの一族すら煙に巻いた程だった。


「お前、今は情報屋か?」


「フリーカメラマンが一応本業かな? でもまあ情報屋みたいなことも少々」


得意げに話すところを見ると、情報屋としての腕もあるようだ。


「では今後、私と仕事をする気はあるか?」


「おい」


今まで黙ってコウガの後ろに控えていたシキだが、マカの申し出には口を出す。


「オレは面白そうだし、良いと思うけど。シキはどう?」


シキはコウガを見た後、渋い表情で視線をそらす。



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