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それは今日の朝、わたしがマカに言われたことだ。


ハズミは深く息を吐き、わたしを真面目な表情で見つめてきた。


「意味も無く、人を殺し続けることほど無意味なことはないってマカは思っているのさ。まあ人殺しは元々いけないことだけど。でもそれ以上に、そこに何の感情も抱いていないことが、ダメだって言うんだ」


理由も目的もなく人を殺し続けても……ただ、虚しさのみが募っていくだけ。


マカはそう言いたいんだろうな。


「マカは理由もなく留まり続けていることを、ひどく嫌う。まあそれはマカの身内が関係していることだけど…」


「ハズミっ!」


ハズミの言葉の続きを遮ったのは、マミヤだった。


大人しそうに見えたけれど、強い気持ちでハズミを止める。


「そこは俺達が簡単に口出しできない部分だ。気軽に話すんじゃない」


「…そうだな。じゃあそれは置いといて」


ハズミは改めて薄く笑った。


「マカが好むのは成長を見せる存在。それが良いモノだろうが、悪いモノだろうが構わない。だからダラ~っとしていると、すごくイラつくみたいだよ」


「…それは何となく、わかるわ」


あの気性の激しさを見れば、自分に合わないモノと出会った時は、過剰なぐらい反応するのが眼に浮かぶ。


「でもホラ、マカってウソ・偽りは一切ないだろう?」


「うん…」


「そういうところ、キツクもあるけど良いよな。真っ正直に生きているのが、実にマカらしい」


それには素直に同感。


逆に気をつかったりするところなんて、変に思えちゃう。


「そんなマカと一緒にいられるから、オレ達は眷属なることを選んだんだ」


ふと口調を和らげ、ハズミは優しい笑みを浮かべた。


「ハズミ…」


「マカは決して嘘を言ったり、偽ったりしない。いつでも自分らしくある強さと誇りを持っている。それはオレやマミヤが持ち得ないモノだった」


ハズミがマミヤに視線を向けると、マミヤは苦笑した。


「強すぎて、慣れるまでは時間がかかるけどな。でも付き合いやすいよ。マカは決して、本気で真面目に生きているモノをバカにしたりしないし」


「自分に合わないモノにはメチャ厳しいけどな」


アハハと笑い飛ばしながら言うハズミを見て、マミヤはスっ…と視線を外し、ぼそっと呟いた。


「…それとハズミのようなモノには特に」


「どういう意味だっ! マミヤっ!」


マミヤの言葉に、わたしは深く頷いた。



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