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翌朝、目が覚めた時、やっぱりマカがくっついていた。
いつの間に布団の中に入ってきたのか分からないけれど、日が昇っても爆睡しているのを見ると、寝るのは遅かったんだろうな。
「って、わたしも寝ちゃったんだなぁ」
いろいろあって、疲れていた。
でもこういう風に、また普通の人間のように動けるなんて想像もしていなかった。
しかもマカ達みたいなモノと関わることも…。
「わたし、ホラーとかオカルト、あんまり好きじゃなかったしな…」
おばあちゃんからいろんなお話を聞かされたせいで、怖いとは思わないけれど、特別好きということもなかった。
でもこういう存在が本当にこの世にいたなんて、改めてビックリだ。
「って、何言ってんだろう…」
すでにわたし自身が、ホラー/オカルト的な存在だというのに…。
マカの寝顔を見て、壁にかけてある時計を見た。
「朝食、作っといてあげよう」
そっと布団から抜け出し、クーラーを入れた。
マカはあんまり扇風機やクーラーが合わないみたいだから、弱い設定をして。
部屋から出た後、まずはお風呂場へ向かう。
昨日、久しぶりにお風呂に入れたのが嬉しくて、今日もまた入ろうと決めていた。
マカからは家の中にいるなら、好きなようにして良いと言われたし。
ここのお風呂、一階にも二階にもあるから、本当にスゴイ。
しかも立派で大きくて広い。
入ると気持ちよくて、ついつい長風呂をしてしまう。
「生前はお風呂はフツーに好きだったんだけどなぁ」
生きていた頃に入っていたお風呂は、こんなに立派じゃなかった。
だから一日一度と、普通の回数だった。
「でもこんなに良いお風呂に入ると、贅沢している気分になるな~」
ゆったりとお風呂に入った後は、昨日と同じようにエプロンを付けて朝食を作る。
「味には気を付けないと」
マカは基本的に、料理にはこだわりがない。
けれど皿数が多いのは好きじゃないみたい。
とっとと食べられるモノが良いって言っていたし。
「朝粥にしとこうかな」
朝粥なら簡単に食べられるし、具をいっぱい入れられるから栄養も取れる。
マカは好き嫌いがないらしいので、料理のしがいがある。
「…けど流石に味には注意しないと」




