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覆される都市伝説・【マカシリーズ28】  作者: 星群彩佳
出会ってはならない存在
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『…生前?』


ふととんでもない言葉を聞いたような…。


「ああ。アイツらも死んでいる。死後何年経過しているかは知らんが、まあ近年の話だろう」


肉体は無いはずなのに、血の気が下がっていく感じがする。


『えっと……じゃあ、あの二人って…』


「死んでから『携帯彼氏』という存在になって、そっからウチの眷属なったモノだ。今では普通の人間と同じように行動できる」


携帯彼氏…ちょっと聞き覚えがあるかも。


でも彼等がそういう存在だとすれば…。


『マカ、あなたは普通の人間ではないのね?』


僅かに顔をしかめながら尋ねると、マカは首をかしげて見せた。


「今気付いたのか? 出会った最初に気付かれていると思ったのに」


がくっ、と体の力が抜けた。


『そっそりゃあ何かおかしな人だとは思っていたけど…』


「おかしな人も何も…。私は人成らざるモノの血族の次期当主よ。同属達は人間ではまず有り得ない力を使ったり、体質を持ったりしている。だが生活は普通の人間とほとんど変わらない」


『じゃあマカは普通に高校に通っているのね? あの二人は?』


「ハズミとマミヤは元は普通の人間だ。それにすでに死んでいる者。表立っては行動していない」


…つまり学校には通っていないということか。


「…とりあえず聞いておくが」


ふとマカは真剣な眼差しを向けてきた。


「お前、刺客ではないのか?」


『なっ…! それは違うわ! 確かにあの小説を読んだ人の所へは現れ出るけど…』


そして小説に出てくるような死に方をさせるけれども…。


「私を誰かと分かっていて、誰かの命令で来たわけではないのだな?」


『それは確かよ。わたしはあなたが何モノかなんて知らなかったし…』


それにそもそも、わたし一人で行動していた。


だから誰の命令も受けてはいないけれど…。


「なら良い。そろそろ昼食を作ってくれ。腹が減った」


『うっうん』


「昼は麺が良いな」


『じゃあパスタでも作る?』


「冷やし、で頼む」


『分かった』


モヤモヤした気持ちを抱えたまま、わたしはキッチンへ向かった。


…そう、全部わたし一人で行なっていること。


そこに誰の介入も…ない、はずだ。



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