「ルールは守っている」は擁護になってない。というより「ルール違反にはなっていな」が正しい。
「ルール通りだ」は自分の行動の正しさを証明する事にはならないし、他人を擁護する要素には使えない。ルールを守るのは当たり前すぎる話なのだ、という話。
今回はソフトバンクに移籍した「上沢」という選手のニュース記事で思った事だけど、その記事に限った事ではなく「ルールを守る」のは当たり前、それは前提。ルールを守っていないならそもそも問題にならないというか「問題になっている」のでニュースにならないだろうと。
刑法のような特殊なものを除き、ルールや法は善意を元にしている。「こんな事をするヤツはいないだろう」という全員に基づいているので、悪意があれば汚い事も出来てしまうルールになっているものは多い。
プロ野球で言えば古くは「江川事件」と呼ばれるドラフト外入団、入団とは違うけれど高校野球でいえば、星稜松井に対する連続敬遠なんてものもある。連続敬遠に関していえば個人的には全然アリだと思っているけれど、そうは思わない人もいるだろう。
今回の「上沢」は知らないなら検索すればすぐに出てくる。
日本のプロ野球パリーグの日本ハムに所属していた上沢選手が球団にメジャーリーグ挑戦を願い出て、それを球団が認める。そして挑戦したけれど1年で帰ってきて、パリーグのソフトバンクに入団したという話。選手の自由意思で移籍するには日本プロ野球にはフリーエージェント制度があるけれど、その資格を上沢選手は得ていない。ただ、外国球団への移籍の資格もそもそもなかった。だから願い出た、それがポスティングと呼ばれる制度らしい。この制度を使って海外へ渉り1年で即帰国なんてことは当然考えていないし、即帰国するにしても「普通に考えれば」元の球団に帰るだろうというのが普通の考えだろう。それを破ったのが上沢という選手という事になる。
他球団の実力ある選手を金でかき集める巨人やソフトバンクのような球団は別として、多くの球団は新人の頃から育成をしている。つまり、選手の価値は「その時点の強さの選手のランク」ではなく、それまでの期間「育成」した分の時間と金も含まれる。強い選手を購入し、それを転売するとかそういう話ではないのだ。
さて、ここでこの今回の件に関して「ルールは守っている」という謎の擁護。ルールを守ってないならそもそも移籍自体不可能なのだから「守っているのは当たり前だろう」と。ただ敢えていうなら「ルールを守っているというよりは「ルール違反ではない」といった方がいいだろう。
FA資格を得ずに移籍が可能になるというのは「ルール上可能ではあってもそんな悪用をする人はいない」という前提のもとに成り立っているルールを恥ずかし気もなく悪用する。それは「ルールを守っている」と言えるのかだ。
ついでにいえば今回の擁護には「プロなのだからよりよい契約をとるのは当たり前」というのもあるのだが、ではそういう契約を選択しなかった選手はプロ失格だというのだろうか?
そして何よりこの上沢選手はそういう動きを「していなかった」から問題になる。
前述の通り日本のプロ野球選手は育成の要素も含まれる。その選手が外に出るというのであれば、移籍した側の球団から、その分の何らかの補償が必要となる。それはポスティングであればフリーエージェントであれルール化されている。もちろん、日本ハム球団にも移籍先球団から6250ドルが支払われている。90万円~95万円…多くは92万円程度で報道されている。5000万ドル超の移籍金が支払われている実績もある中、6250ドル。Wikipediaを見る限り、6250ドルを除外すれば最低金額は30万ドル。30万ドルでもかなり安いが6250ドルはその世界ではタダに近い。
何故こんな事になったか。契約金の高いメジャー契約での誘いもあったのに、安いマイナー契約を敢えて選択したのが上沢という選手である。
この選択をする選手に「プロなのだからよりよい契約条件云々」と今更擁護してる人は考え方の違い、感情論だとか関係なく、ただの バカ である。擁護になってない。
個人的にはこの上沢なる選手は知らないし日本のプロ野球にもメジャーリーグにも興味無いので感情的には全く何も思うところはない…球団に快く送ってもらって1年で帰ってくるとか恥ずかしくて他球団しか選択が無かったとかももしかしたら感情的にはあるかもしれないし、何でこの選択だったのかなんて心底どうでもいい。ただ、この件についての擁護論はどれを読んでも「擁護になってない」としか思えないわけである。ルールを守るのは当たり前なのだ。そしてプロとして当然の行動もしておらず、日本ハム球団に打撃を与えたのも確かなのだ。移籍金90万って意味がわからんよ。
一番の問題はルールの悪用があると、ルールが意味をなさなくなる事にあり、その世界全体に悪影響を与える事にある。
少なくとも「ルールの抜け穴をつく」と言われるようなものを擁護してはダメだろう?
「ルールを守っていれば何をしてもいいというわけではない」なんて色んな分野で言われている事だろう。ルールを守るのは最前提というだけ。
善意を踏みにじる人が出てくるからルールが厳しくなるんじゃあないか。喫煙だとかも「ルールで厳しくするのは違う、マナーの話だ」と散々抵抗した人たちがいるけれど、それは善意を踏みにじる人があまりにも多かったからだ。彼らはその当時「ルールを破っていたわけではない」。けれどマナー違反、道徳違反ではあっただろう。
エスカレーターの片側よりもそうだよね。マナーの話がどんどんルールに変わっていってる。なので擁護してはいけないのだ。よって上沢なる選手もソフトバンク球団も余裕でアウトという判定となる。
ちなみに個人的な考えでいえば日本プロ野球でデビューしてそこから出たなら「日本に帰ってこなくていい」と思っている。体の話ではなく「日本プロ野球界」という意味。そこで失敗したならもう日本プロ野球に帰ってくんなと。どこの球団が必要としようが。個人的には、日本を捨てた時点で「裏切り者」と思ってるので。裏切ったならもう行った先で終えてくれとしか思わない。日本のプロ野球界は滑り止めか何かか?
ルールをふりかざす人間鬱陶しい。当「オレはルールを守ってる」と主張する事に何の意味があるんだ?当たり前の事をして「当たり前の事をしているんだ」と言って誰が納得するんだという話。お前以外も全員そのルールは守っていると思うぞ。




