表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/13

こうしてメイドやってます

 どういうことよ?

 私も聞きたい。盛大に頭の中クエスチョンだ。

 この国の王太子への即位は金印に認められ、捺印出来ることが条件である。おまけに、王さましか押せない大事な印鑑なんでしょ?それ。

 それがどっかいっちゃった。あは。

 いやいや笑えないから。どーなってんの?危機管理。


 本来、王太子の即位は二十歳の誕生日に民衆の目の前で、国へ、国民へ、安寧と幸福へ尽くすことへの誓約書へ印を押せると認められる。

 金印に認められず、印を押せないとそこで王位継承権は認められない。過去認められずにそのまま家臣へと降った王子もいたんだとか。

 金印さま、好き嫌いがあるんデスカ?


 そんな訳で、とーっても大事な金印が紛失してしまった為に、宮中では蜂の巣を突いた大騒ぎが連日行われている。おまけに王さまは意識不明(寝たきり)

 もちろん。リシウス(推し)殿下の即位(誕生日)も前途不明だ。


 第一王子(リシウス)殿下、第二王子(ニーヴェル)殿下共に二十歳前(未成年)。王太子どころか政は担えない。そうこうしているうちに、はい。出てきました、宰相であらせられるメルソン侯爵閣下さま。

 ニーヴェル(第二王子)殿下の祖父である事を笠に宮中でぶいぶい始まったわけよ。

 すると比例するように不穏な動きをみせる輩も溢れ始めた。

 最近ではニーヴェル(第二王子)殿下の周囲で、あろうことか、金印が紛失したのは立国の賢者さまのご意思でリシウス(推し)殿下が王位に相応しくないからだ。と、まぁ、なんともトンチキなこじつけ甚だしい言いがかりを言われたりもしている。


 宮中では、幅を利かせ始めたニーヴェル(第二王子)殿下派により、第一王子であるにも関わらず、あまり居心地が良いとはいえない環境に追いやられたリシウス(推し)殿下。命の危機も更に増しました。

 おいたわしい。


 そんでもって世の中ってヤよね。どうして権力争いなんてものが、いつの時代もあるのかしら。

 メルソン侯爵家が発言権を持つようになると、それを面白く思わない反対貴族も勿論いるわけで、今まで静観を決め込んでいた貴族達が、なんとなく曖昧だった境界線を、きっぱりはっきりリシウス(第一王子)派、ニーヴェル(第二王子)派、中立派と、貴族が三つに分断されてしまったのだ。


 そして何をどう誰が上手く動いたのか、今まで中立の立場を一貫してきた両殿下の叔父にあたる、現王の異母兄弟であらせられるレイアール公爵さまが国王代理を務めることになり、さらには宮中で環境のあまりよろしくないリシウス(推し)殿下を公爵家で預かることになったのだ。

 これは事実上のリシウス(推し)殿下の後見にあたる。図式的には、現王の異母兄弟筋の公爵家vs現王妃実家(メルソン侯爵家)みたいな、なんかとんでもない波乱の予感しかないパワーバランスが出来上がってしまった。

 王さま。意識不明(寝てる)場合じゃないですぜ?


 嫌な予感ていうのは当たるもので、やっぱり事件は起きた。

 ニーヴェル(第二王子)殿下の宮でボヤ騒ぎが起きたのだ。

 幸いすぐに宮の者に見つかり事なきを得て、殿下にケガはなかったものの、おつきの外野がさー大変!

 ボヤ(放火)をしたのはリシウス(第一王子殿下)派がやったやらないの、すったもんだの大騒動。

 

 そりゃあ、宮中もカオスになると言うもんよ。


 そこで、はい。トレスヴェイン家(私たち)の出番ってわけ。このままじゃ内乱も起きかねないと危惧した現トレスヴェイン侯爵(我が父)は、両殿下に護衛と監視を兼ねて私とシャトー、宮中の金印騒動と動向を探るべくアーノルド(兄さま)を送り込む事にしたのだ。


 私とシャトーの今回の任務(しごと)は、良からぬ企みを持って殿下に近づく貴族達への牽制と報告、暗殺からの護衛が主だ。

 私もシャトーもこう見えて貴族令嬢というやつで、1人はメイドの真似事、片や男装して騎士の真似事をしていよーがご令嬢なのだ。それも、望めば未来の王妃になれるくらいには高位の。

 それなりに社交界にも顔出し(情報収集)はしているから、屋敷に出入りする貴族の顔は即時に分かる。

 しかーし!ここで、もう一度言っておく。

 トレスヴェイン家(暗部)の事情は王と王太子のみ知る秘密だ。

 社交界に出入りしている私が、ここでメイドの真似事をしながらスパイをしてるなんて、断じてバレるわけにはいかないのだ。

 

 ちなみに、先先代の王妃さまがうっかり?トレスヴェイン家の事情を知った際には記憶を消されるほどの徹底ぶりだったとか。

 何それ怖いわぁ。思わず消されたのは記憶だけだよね?ちゃんと生涯をまっとうしたよね?なんて、聞きたくなるけど聞かない方がぐっすり眠れる気がするの。大事だよね?安眠。

 

 とまぁ、そんな訳あって私は今、レイアール公爵家メイドをしている。

 もちろん、未だ王太子の座にないリシウス(推し)殿下には秘密、でだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ