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死が、首と胴を別つまで  作者: 谷メンマ
7/11

止まる時、失くす時間

『真王の右腕』解放から、4年。


僕は、”コーサラ国解放軍”へと身を寄せていた。

彼らは多くの強力な宿霊者を擁しており、ナムルトおばさんの傷を治してくれたのも、そのうちの一人であるナイトゲールだった。


彼らの目的は、現王政の打開と民主政治の導入。


そもそも現国王、僕のお父さんにあたるラメス王には、政治的実権はないに等しいのだそうだ。

では誰がこの国の舵取りをしているのかというと、それは僕の実母である女傑・ブソクテンだという。


彼女は関白のようなポジションで裏側から巧みに政治を行い、この国を変えていった。


宿霊術の一般解禁や警備隊の導入など、それらの斬新な政策はすべて、彼女が考え出したものである。

そしてそんな彼女は、今度は宿霊術を模した兵器の開発へと着手した。これも、先王・エルラーマが危惧した通りだ。


それらがもし完成した場合、周辺国は、そして世界はいったいどうなってしまうのか。

彼女は……僕のお母さんは、いったい何を目論んでいるのか。


その情報が入ってきたのが、今からちょうど2年前。そこから、解放軍の計画は急ピッチで進み出した。


そして、時間は今日現在に至り。


4年に及ぶ王都への接近、浸透作戦を終えたことにより、計画は次の段階へと移ろうとしていた。


次の段階とはすなわち、何重にも固く閉ざされた王都深部への、武力による突入作戦である。


しかしこの作戦はもともと、数年前までの解放軍ではもっとも避けたいものとされていた。

民衆への被害はもちろんのこと、そもそもの戦力自体が足りていなかったのだ。


しかしこの4年間で、解放軍が抱える宿霊者の数は2倍にも膨れ上がっていた。

何より、二人の強力な宿霊者の加入が、彼らの強硬策に現実味を与えていた。


一人目は、無論ラーマである。


持って生まれた莫大な霊子量が長時間戦闘や一対多数の戦闘をも可能にし、必殺の奥義である宿霊術は、時間停止というまさに無類の強さを誇る。


さらに”氷”能力自体の成長も著しかった。


今では、人体を覆い隠すほどの氷を生成するのに、1秒とかからないという凄まじい能力者に成長した彼である。


そして、もう一人は。


「…よおぉ、随分な活躍だったみたいじゃあねえかぁぁぁ」


「やあ、久しぶりだね。……ザザ」


“豪炎”の、ザザ。


4年前にラーマに敗北した彼は解放軍に捕らえられると、拷問をしないこと、命の保障を条件にヘッドハンティングを受けた。


それに対してなんと彼は、二つ返事でOKを出したのだ。


それから、ザザは解放軍の即戦力として戦線に加わった。

彼の特徴であった白銀の長髪はバッサリと切り、仮面を被ることで正体を隠した彼は、コーサラ国軍部の圧政に苦しむ地方都市の解放など、さまざまな任務をこなしていった。


性格もある程度丸くなり、今では解放軍の幹部メンバーの一人である。


「まあ、警備隊くらいから余裕かぁぁ。……ただなラーマぁ、こっからは気を付けていけよぉぉ」


「分かっているよ。…ここから先に入っていくなら、七十二柱の” 六雄”とも戦わないといけなくなるからね」


王家直属の戦闘部隊である七十二柱、そしてその中でも実力が上位であるのが”六雄”。


七十二柱とは何度か戦ったことのあるラーマだが、六雄とはまだ、一度も遭遇していない。


ただ、これまで解放軍の腕利きが何人も、彼らの前に敗れている。


「ハッキリ言うがなぁ、”六雄”、アイツらは……正真正銘のバケモノだぁ。正直、お前でもどうなるかは分からねえぇぇ」


そう言うザザの肩は、細かく震えていた。

彼にここまで言わせる六雄、どれほどのものなのか。


いや、そんなことは関係ない。

勝てるかどうかなど、考える必要はないのだ。


「ううん、勝つよ。六雄を倒して、この国を変える。……僕にはもう、時間がないんだ」


「……その件だがなぁ、団長が呼んでたぜぇぇ。…お前の腕、ついに研究結果が出たってよぉぉ」














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