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二章 合言葉は人参-6

それから1ヶ月が経った。

テントは俺とティラの寝床になった、二人で寝る用のベッドも買ったしティラが山菜を取ってきては料理に使って俺は相変わらず森の魔物の救助だ。あれからボアーが俺に危害を加えることもなかったし。

ティラは笑顔が増えた気がする、もう10ヶ月くらいか。この森に訪れてから流れた日々はまるで夢のような日々だった、思い返すと脳裏に浮かぶのは。追いかけっこしてる時のティラの揺れる胸、あと不機嫌な時に腕を組んだ時に腕に乗るティラの胸の膨らみ、あとはそうだなぁ


「人間の兄さーん!いる?」

「おおセシル!」


昼ごろ、テントで家事をしているとセシルがテントに遊びにきた。セシルも度々テントに来ては野菜などを運んで来てくれる。


「いつもありがとな、アスパラガスあるか?」

「ん、あるわよ?」

「ああ、ありがとな」


俺はカゴに入ったアスパラガスを手に取ると、生でそのアスパラガスに齧り付く


「うわ、生で食べるの?」

「ああ、最近アスパラガスにハマってんの」

「兄さん、お姉さんも度々顔見せてくれるけど、やっぱりこのテントに来てから。なんて言うかすごく元気になったわよ!」

「そら良かった!うん、いいことだ」

「……兄さん、ちょっと痩せた?」

「そう?そんなことねぇよ」


俺とセシルが話していると、ティラがテントに帰ってきた


「ただいま戻りました。あ、セシル!来ていたんですね」

「姉さん!元気そうでなによりよ」


ティラは荷物を床に置くとセシルの元へと駆け寄り、黒いウサギ耳をなでなでしている。ティラもすっかり笑顔が多くなった、無表情で森に立ってた時とはえらい違いだ


「トウヤ、天気がいいので山菜がたくさん取れました。今夜はごちそうですよ」

「そりゃいいな!セシル、姉さんは料理も出来るようになったんだぞ」

「ええすごい!姉さん、すっかりお嫁さんだね」


ティラは嬉しそうに横に揺れながら、俺の隣へと移動してくる


「トウヤ、人参ニンジンをしましょう」

「え、なに姉さん?人参をする?」

「おいティラ、人参をするのはセシルが離れてからでも」


バッ


ティラは突然俺の服を一気に脱がしてきた。


「ね、姉さん!?」

「ティラ!ちょっと待て!」

「人参をするんです、トウヤ。人参しましょう」


ティラは俺の首に腕を回し、豊満な乳房を俺の体に押し付けて抱きついてくる。耳元で何度も「人参」と囁きながら


「ちょー!あたしの前で何してんの!トウヤ!人参ってなに!?」

「俺とティラの二人で決めた合言葉だ!最近回数が多くなってきたから、したくなったら「人参をする」っていう合言葉を使ってる!セシル、姉さんを止めてくれ!」

「……あぁ、まずい。姉さんはもうすぐ発情期が訪れる年齢になるんだ!」

「発情期?なんだそれ!?」


顔を寄せるティラは俺の頬を舐めてくる。森育ちなのに髪の匂いめっちゃいい香り花の香りがする、ってそれどころじゃないのこれ以上したら俺まじでアスパラガスいくら食っても足りない


「ラビットナイトのメスは、ある年齢になると発情期になるんだよ!一回そうなると、もう抑えられない!姉さんはもうすぐその年齢だった!」

「まじかよ!ティラ、君の誕生日いつだっけ??」

「あとで教えます。はやく人参をしましょう、私の胸で人参をしてもいいですから」

「おい兄さん!もう姉さんの胸で人参までしちゃったの!?」

「それどころじゃないだろ!セイヤ、止めてくれ!」

「トウヤ……止められるのは、旦那だけだ……あたしはこれで!また来るよ!」

「おいちょっと待ってくれぇ!」


こんな感じでちょっと大変なことが増えたが、このテントでの暮らしは本当に最高だった。もし早めにどっか適当な王国でやることを見つけて、がむしゃらにパワーを使って戦うような生活をしていたら。こんな幸せは得られなかっただろう、この森とテントで積み重ねた時間が俺とティラの関係を特別にした。曖昧にこのテントでずっと過ごすのかと思ってた


2ヶ月後、あんなことが起きるまでは。


俺とティラは森を散歩してテントへ戻る最中だった、この木の間を通れば。いつもの赤いテントがそびえ立っている。

だがそこにあったのは、ボロボロの木片と引き裂かれた赤い布だった。


「なっ……」

「私達のテントが……」


家具もテントの外でバラバラにされている、一体誰が。俺は視力強化の魔法を使って遠くを見ると、家の家具を持ったリザードナイトの姿があった。こんな事をするやつは、あいつしかいない

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