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第12話 爆裂魔法少女、おふとんでガールズトークする

 マルティナよ! なぜか、お風呂の途中から記憶がないわ……とても楽しいことをしてた気がするのだけれど。

 まあいいわ! 今日は、かなり話が前に進んでゴキゲンね!


 それより、ナオヤの従姉妹であるハルカよ!

 とってもかわいいし、頭いいし、二ホン皇国最新の魔導方程式を教えてくれるし、凄くかわいいし、魔法のように新たな波動変換式を作っちゃうし、果てしなくかわいいし、お肌ぷにぷにだし!!

 ……少し興奮してしまったわね。


 わたしたちは今、女子寮の部屋で、ベットを仲良く引っ付けて、おしゃべりしているところ!

 これぞ、女子トークってやつよね!


 それにしても、ハルカの寝間着、かわいいわね! フードを被ると、クマ?の格好になるのかしら。手袋には肉球も付いているし……くっ……これがジュンが力説していた「アザトーイ」という事なの?二ホン皇国の魅了魔法(チャームマジック)のバリエーションには、戦慄するわ……


「そういえばハルカ、あなたが持っている、そのチクー・ワみたいなモノは何なの?」

 わたしは、さっきから気になっていることを聞いてみた。ちなみに、チクー・ワは、トヨハ・カウンティの名産なの! 表面に焦げ目が付く程度に焼いて、きのこ醤油で食べるとおいしいわ!ぜひ試してちょうだい。


「これはね、抱き枕。こうやって、ぎゅっ! と抱きついて寝るの。触ってみる?」

 ……ダキ・マークラ? 職人の名前かしら? どうやら寝具のようね……わたしは、そっとダキ・マークラに手を伸ばす。


 ……ふかっ

 !?!?

 ……ふかふかっ

 !?!?!?


「こ、これは! 皇室に献上された、伝説の怪鳥、ケツァル・コアトルの羽で作った寝具に、勝るとも劣らない感触! なんて逸品なの……ハルカ、あなたまさか、二ホン皇国のお姫様なの?」

「? 普通の一般人だよ? それはね、ナインピュール社製の抱き枕なんだ。闇天市場で39,800円 (ブラックフライデーセール価格)」

「なん……だと?」


 39,800円って、確か400イーエンくらいよね……こちらじゃ裏起毛魔防マント(魔法防御力2、冬でもあったかい)くらいしか買えないわよ!?

 ……いや、闇市場? ナオヤとハルカくらいの実力があれは、魔界にコネクションを持っていても、不思議ではないわ。しかもブラックマーケットね。

 危険なにおいもするけれど、彼らは大事な仲間よ。大筋に影響はなさそうだし、スルーするのが大人ね……


 わたしが葛藤で目を白黒させていると、ポーラがニコニコとこっちを見てくる。この娘、あまり驚いてないわね? そういえば、向こうの文献を色々読んでるって。あとで問い詰めてみましょう。


「うふふ、私としては、ダキ・マークラより、ハルカさんを抱いて寝たいですね……」

 あ、さりげなくポーラが、ハルカを抱き寄せているわ!

「ずるい! それはわたしの役目じゃない?」

「……えっと……」

 ハルカは少し困惑した様子で、わたしとポーラを見比べた後……

 だきっ

 ポーラの方に抱きつきました。


「ふふっww マルティナさん、残念でした。 私、マルティナさんほど引き締まっておりませんので、うらやましいですwww」

 くっ、胸の、胸の差なの!? それになに、この悪意の波動は? ナオヤがわたしをみて、「クサ」と言霊?を言ってきたときの感覚に似ているわ……!


「……ま、まあ、わたしはまだ成長期ですから。まだ成長の余地はあるわ!」


「それより、女子トークといえばコイバナよ、コ・イ・バ・ナ! ポーラ、あんたは何かないの?」

 やはり、女子らしい話題をしないとね! ……話をそらしたんじゃないわよ?

「……そうですね、私、今とても恋焦がれている殿方がいます。 ふたり……」

「そ、そうなの? しかもふたり!? いけないわポーラ、いくら一夫多妻(一妻多夫)制が皇国聖典で認められいるとはいえ、それは制度上の話よ! 実際には色々と……」

 いきなり、ぶっ飛んだことを言いだしたポーラに、慌てるわたし。


「マルティナさん? 私が手に入れるのではないですよ? 美少年と美青年というのは、見て楽しむものですよ。」

「いささか、美というには不足かもしれませんが、例えばナオヤさんとジュンさん。ナオヤさんの方が立場が上に見えますが、プライベートで、ふたりっきりの場所では、むしろ……うふふ」

「ちょ、ちょ、ちょ、待ちなさーーーい、ストップ! ステイ!」

 危ないことを言いだしたポーラを慌てて止める。そうだった、この娘は昔から、なんでも変わった「組み合わせ」を好むんだったわ。

 そういえば、先月、二ホン皇国から手に入れた、第101悪魔聖典第2章:フジョッ・シなるものを読んでいたわね……まさかその影響で呪いを!?


「……」

 ハルカが、何か言いたげな目でこちらを見ているわ。この娘、なにか知っているのかしら?

「マルティナさん、勘違いしてもらっては困ります。私は女の子同士も好んでいますよ。」

「男女の仲は!?」

 この娘は本当に……どっと疲れたわ……


「気を取り直して、あなたはどうなの、ハルカ? 幼年学校の男の子とか?」

 軌道修正のために、ハルカに話を振る。

「……わたしの事を分かってくれていて、大人な男の人がいい…………兄さんみたいな」

 ぽっ、と頬を染めるハルカ

「あらあら……」

 きゃーーーーーやっぱこの娘、かわいいわねー!!

 思わずぎゅっと抱きしめてしまう。


「きゅー……マルティナさんはどうなんですか?」

 わたし?わたしかー?

「……えっとね、もう10年位前になるのかしら。わたしには魔法の師匠がいてね。少し……結構口は悪かったけど、わたしに色々な魔法や魔導理論を教えてくれたわ。」

「その御師様がいつも言っていた言葉があって。」


 ーーーー これからは敵国の兵士を殺したり、モンスターを倒す魔法は必要なくなる。人々のため、世界を発展させる魔法が重要になる。お前には力がある。それを世界のために使え。そうすれば、お前は億万長者だ。わかったか、マル公、分け前は35パーセントだぞ? ーーーー


「……いい言葉」

「ふふ、とても胸に響く言葉ですね。マルティナさんは、それを大事にしているからこそ、宮廷魔術師の話を蹴って、二ホン皇国との共同研究チームに志願したんですよね?」

「……えへへ、宮廷魔術師とかツマんないってのもあるけどね。御師様に憧れてたってのが大きいかな。やっぱ、かっこよかったもの。まあ、今は会えないんだけどね……」


「……!」

 ハルカは何かを察したのか、悲しそうな表情になる。

「気にしないで、ハルカ。もう昔の話よ」

 わたしがそうフォローすると、ハルカは少し考えこみ、なにかに気が付いたように言った。


「……もしかして、兄さんてそのお師匠さんに似てる?」

「………………ッッッ!」

 えっ、えっ? そうなの? わたし? えっ!?

 思わぬ角度からの言葉に、顔が真っ赤になってしまう。


「あらあら……ふふっ」

「マルティナおねえちゃん、かわいい」

 ニヤニヤするふたり。 うーーーーー、やられた! もう寝るわよ!


 こうして楽しい一夜は過ぎていった。


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